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事例紹介

服装ホメてもセクハラか?~問われる日ごろの言動

2014年8月16日

読売新聞2014年4月1日の記事です。

http://www.yomiuri.co.jp/job/navi/kaneko/20140331-OYT8T50211.html

 

 

(引用はじめ)

ホメてもセクハラ?

 服装に関しては「うっかりホメてもセクハラになるのでは…?」という、少し悩ましい疑問があります。

 結論から言えば、純粋な気持ちでホメることがセクハラになることはありません。周囲に居るセンスのいい女性(男性)の服装は大いにホメてあげてください。ホメることに遠慮はいりません。

 常識的に考えても、ホメられて不快に思う人はいません。よほどのことがない限り気分をよくする人はいても、ホメられて不快に感じる人はいないはずです。 さて、そこで注意をしなければならないのは、「よほどのことがない限り、不快感を持つ人はあまりいません」と書きましたが、それでも、つまりホメられても「不快感を持つ」というのは、そこに「よほどのことがある」からということです。

 それでは、「よほどのこと」とは、一体どんなことでしょうか。ここでも、服装をホメたつもりがセクハラになってしまった裁判の例(「X事件」大阪地裁平成18.4.26)を取り上げてみましょう。

「不快に感じた」と苦情の訴え

 そんな「悲劇」の主人公になったのは、公務職場で働く管理職のAさんです。Aさんは、職場の女性たちに日頃からよく、いろいろと声をかける人でした。そのAさんが一体どんなことを言って問題になったのでしょうか。

 その発端になったのは、B子さんとC子さんが、かけられた次のような言葉でした。

 ― いつも同じ服を着ているね。

 ― 今日も同じハンカチか。(髪の毛を束ねていた)

 こんな声かけを不快に感じたB子さんとC子さんがAさんの上司に苦情の相談をしたことから問題がはじまります。

 B子さんは髪を束ねていたハンカチについて、「当初はハンカチの色をホメることからはじまり、『今日は昨日と同じハンカチか』とか『昨日より色が濃いのは洗濯していないからか』と言われた。」 C子さんは、いつもズボンをはいているが、スカートをはいていくと「珍しいな」と言われて不快だったと訴えています。

 こうした訴えに対して、Aさんは「性的な関心を示したものでもないし、わいせつなものでもない。まして、相手が不快に感じているとは思いもしなかった」として反論しました。

「ホメた」つもりでもダメ

 Aさんにとっては、まさに挨拶(あいさつ)代り、「ホメたつもりである」と反論したのですが、認められませんでした。結果は「Aは、言動が相手の意に反し不快にさせるだけでなく、そのことを行為者が認識していたことが必要だと主張するが、セクシュアルハラスメント行為の成否に行為者の認識は要件とならない」というものでした。つまり、Aさんにとっては「ホメたつもりでも、相手が不快に感じればセクハラになる」ということです。

 果たして、こうした言動が本当に「ホメた」ことになっているか、「悪気はなかったか」についての判断は難しいのですが、この裁判ではAさんの日頃の言動を職場の女性たちがどのように感じていたのかを広く加味して判断しています。

日ごろの言動に注意

 実はAさんは、このB子さん、C子さんに対する言動以外にも職場の女性たちの個人的な私生活に関心を示して、「旦那さんとどこで知り合った」とか、ダイエット中の女性には、「まだやせてないな」「やせたんと違う」などと言い、毛深い女性には、「どこの毛が」などと聞いていたことも背景としてとらえて判断されています。

 職場の大勢の女性たちがAさんの日頃の言動に不快感を持っていたという事実が背景にあったということが、まさに「よほどのこと」と判断される根拠になっているのです。こうした大勢の人たちに不快感を与えていたというのが理由になって、ホメ言葉がセクハラとして訴えられたという文脈で理解することができます。

 つまり、ホメたつもりであっても、その人の日頃の言動がそのホメ言葉の受け止め方を決めるということです。 たとえ、その場で発したホメ言葉が、素直な気持ちから出たものであっても、あなたの日頃の言動が相手を素直にホメ言葉と受け取ることができない気持ちにさせるのです。

 そこで、教訓は、例えホメ言葉であっても、日頃の言動が相手に与える印象を変えてしまうこともあることに要注意ということです。

(引用おわり)