パワハラ防止を通して職場環境の改善を創造する職場環境改善工房

お問い合わせは090-7312-3133

事例紹介

パワハラ防止の観点から見た、特定秘密保護法案

2014年5月26日

特定秘密保護法案が衆院可決し、参議院で審議中です。

 

賛否両論ございますが、パワハラ防止の観点から見た、特定秘密保護法案の是非を論じてみたいと思います。

 

法案全文については、下記のページをご覧ください。

http://www.tokyo-np.co.jp/feature/himitsuhogo/zenbun.html

 

この法案の目的は、「我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。 」(第1条)

とあります。

 

つまり、秘密保護の範囲も「安全保障に関する分野に限っている」と読み取れます。しかし、安全保障の分野というのは、非常に広範囲にわたり、私たちの生活に密着している制度や情報、技術なども見方を変えれば「安全保障に関する分野」と言えなくもないことが多々あります。

 

ちなみに、安全保障に関する分野のなかに、防衛と外交が含まれることは間違いありません。

そして、私たちの生活に関わるものの中で防衛分野で活用されているのも少なくありません。

一番身近なところで言えば、食糧です。腹が減ってはいくさはできぬの言葉どおり、防衛にも食糧が欠かせません。自衛隊用の食糧の供給、戦場に則した食糧の開発などに関われば、それとて「安全保障に関する情報」になりかねません。つまり1農家が特定秘密に携わる適合事業者の対象になるとも限らないのです。

ちなみに、適合事業者とは、特定秘密に関わる民間の業者のことで、行政機関の長による適正評価で合格したものが指定されます。また、適合事業者の労働者であっても適正評価を受け、合格しなければ特定秘密に関わる仕事はできません。

 

つまり、一労働者でさえ、特定秘密に関わることを認めてるのです。

すると、どのようなことが起こるのでしょうか。

 

特定秘密に関わる業務に携わる労働者が、職場で受けたパワーハラスメント行為について、誰にも相談ができない、ということが生じる可能性があるのです。パワーハラスメントを受けてることを誰かに相談したこと自体、「秘密を外部に漏らした」ということになって、刑罰の対象になってしまうということがあるのです。

 

ハラスメントの相談を受けるとき、どのような業務をしているのか情報が無いと前に進めないことがほとんどです。

 

つまり、この法案は、特定秘密に関わる仕事をしている労働者が、職場でどのような理不尽にあっても、それに対する不平不満や改善・解決の方策を講じようとすることさえ行ってはならない、労働法違反状態であっても、それに対してなんのリアクションも起こしてはならない、というものであり、いわば、特定秘密の為であれば、どんな違法も許してしまう、というものです。

 

言い換えれば、特定秘密のためであれば、あらゆるハラスメント、職場内の人権侵害も許されてしまう可能性が非常に高く、パワハラ防止を訴える私としては、とてもではないが容認できるものではありません。

 

ですから、パワハラ防止の観点から、この特定秘密保護法案には反対です