「倍返し」について
2014年5月25日
テレビドラマの影響で「倍返し」という言葉が流行ってますね。
この言葉のおかげで、パワハラ被害者からもよく、「倍返し」したいという言葉を聞いたりします。
「倍返し」という言葉は、いわば復讐をするということに他なりません。
やられたらやり返すという発想そのものが、新たなパワーハラスメントを生み出す土壌になってしまいます。
この言葉はどこか、憎しみの連鎖を伴っているように感じます。
職場は生活の基盤を作るところであって、人を憎しみ、傷つける場所ではありません。
理不尽な行為に対しては堂々とその行為の非を認めさせ、是正させることが重要であって、
決して、人を傷つき返せば良いわけではないのです。
パワハラを予防していくということは、憎しみの連鎖が生じないようにすることでもあります。
そして、相談に乗ったときは、その憎しみの先をどのように和らげていくかが問題となります。
憎しみが続いたままにさせておくと、マイナスの感情ばかりが芽生え、心のコントロールができなくなってしまいます。
「悪いものは悪い」ということはとても大切なことですし、それを受け止めることも大切です。ですが、そこに産まれた濁った感情をそのままにしておくと、破壊したいという衝動が継続して心の奥底に残ります。
歩み寄るというのは、妥協ではなく、建設的に前向きになるということに他なりません。
その道を探っていくのがパワハラ相談であり、パワハラ防止なのだと考えております。