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事例紹介

ブラック企業 過酷労働の実態解明を(9月12日)

2014年5月26日

北海道新聞2013年9月12日の社説です。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/491190.html

(引用はじめ)

過酷な労働を強制して退職に追い込む「ブラック企業」をめぐる問題が深刻化している。

厚生労働省は今月を重点月間と位置づけ、離職率が高い企業など約4千社を対象に初の実態調査を始めた。悪質な場合は内容や企業名を公表する予定という。

厚労省は徹底的に実情を解明し厳しく対処すべきだ。若者を使い捨てる企業を野放しにしてはならない。

ブラック企業の定義は明確ではないが、長時間労働やサービス残業、過剰なノルマ、パワーハラスメントなどが常態化しているのが特徴だ。

2000年代に入りネット上で注目されはじめ、若い世代を中心に早期離職者や過労死、精神疾患などを生みだす温床となっている。

社会問題に発展した背景には、不況による雇用情勢の悪化がある。

就職難を反映して企業優位の買い手市場になっていることで、時間をかけて人材を育成するよりも、大量採用した社員を使いつぶしていく選択に傾きがちだ。根底にあるのはコスト削減を優先させる発想である。

若年層の非正規雇用が増える中、正社員への転換に望みを託しながら劣悪な労働環境に耐えている側面も見逃せない。

社会的責任や自覚をまったく欠いた企業は存在に値しない。放置したままでは社会の根幹に関わるとの問題意識を広く共有する必要がある。

なによりまず被害の実態を明らかにしていくことが重要だ。調査を一過性に終わらせず、今後も継続していく取り組みを厚労省に求めたい。

併せて被害者の声を丁寧に受け止める態勢づくりも不可欠だ。

厚労省は全国にある「新卒応援ハローワーク」にブラック企業専用の相談窓口を設けたほか、来年度から夜間や休日にも応じるフリーダイヤルを開設する。

7月には被害対策弁護団が結成され、NPOでも相談を呼びかけている。官民が連携を強めることで解決の幅を広げたい。

労働法の基礎知識を学校で教えることも有効だろう。社会に出る前に労働者の権利を学んでおくことは身を守る手だてになり得るはずだ。

気になるのはブラック企業のイメージが曖昧なまま独り歩きしている点である。就職活動中の学生の間では、実際にはブラックではない中小企業への警戒感が広がっている。

ブラックとみなされた企業の痛手も大きい。雇用のミスマッチを拡大させることになりかねない。

単なるブラック企業たたきに終始していては根絶は困難だ。長時間労働の規制や企業の情報開示の強化など、制度の見直しを含めた議論を深めなければならない。

(引用終わり)