指導かパワハラか 毎日新聞 地方版(愛知) コラム にじ より
2014年5月28日
毎日新聞2013年8月30日 コラムより
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20130830ddlk23070291000c.html
(引用はじめ)
厳しい指導とパワハラの線引きはどこか? 最近増えるパワハラに関する取材の度に考え込む。国は脅迫、暴行、過大要求など6分類し、予防を促すが、どう感じるかは受け手の問題。周りが線引きできると考えること自体が誤りに思える。
パワハラを巡る訴訟が先日も起こされた。2010年に県警中署で拳銃自殺した同署の巡査(当時24歳)の両親が「自殺は上司からの退職強要や暴行・暴言などが原因」として県を訴えた。県警は内部調査で、上司の指導の一部を不適切と認めたが、「パワハラの意図はなく、違法性もない」として自殺との関係も否定した。処分や謝罪もないという。
巡査は父親も祖父も警官で、幼い頃から夢見た職だった。だが初配属からわずか2カ月後、何も言い残さずに命を絶った。
憧れは、なぜ絶望に変わったのか。真相を求める家族の思いに耳を傾けなければ、同じことは繰り返されかねない。【稲垣衆史】
(引用おわり)