汚職事件など不祥事が相次いだ三重大学病院。不祥事を受け麻酔科の医師が一斉に退職し、その背景にパワーハラスメントもあったことが分かりました。一連の不祥事の始まりは去年9月、臨床麻酔部のナンバー2・境倫宏医師(48)が、カルテを改ざんして不正請求を行っていたことが発覚し、その3か月後に逮捕・起訴されたことでした。さらに、ことし1月には、二つの贈収賄事件も発覚。臨床麻酔部のトップだった亀井政孝医師(54)とナンバー3の松成泰典医師(46)も業者から賄賂を受け取っていたとして逮捕・起訴されました。

去年9月のカルテ改ざん事件を受けて、臨床麻酔部を新たに率いる立場になった男性医師(60代)が、部下の麻酔科医たちに対して以下のような発言をしました。

「皆さんの親・兄弟・配偶者、すべての人に伝わるよう叫び続けます。日本中に言います。三重大学を倒そうとしている人たちは、この人たちだと」
(男性医師の音声)

「この人たち」とは自分たちの事だと、複数の部下は受け取りました。

男性医師は去年9月、カルテ改ざん事件に触れた上で、部下の医師らに、「いま病院を辞めたら、共犯者とみられてもしょうがない」などと発言したのです。これを受け、複数の医師が、大学側にパワハラだと訴えていました。

「恐ろしかったです。このような上司がいる病院では、働けないと思いました」
(現場にいた麻酔科医)

三重大学は、男性医師の発言はパワハラだと認め、厳重注意したということです。

医師3人が逮捕された不祥事を受けて、臨床麻酔部の医師は一斉に退職し、18人から4人に激減しています。そのうち少なくとも3人はパワハラ発言が退職の原因だと訴えています。

退職者の中には、新型コロナウイルスの重症者などに使う人工心肺装置・ECMOを扱うことができる医師も含まれていて、地域医療にも深刻な影響を与えています。