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事例紹介

労使交渉で改善進む が長時間労働、パワハラ訴え 名取 /宮城

2018年7月24日

平成30年7月24日 毎日新聞の記事です。

https://mainichi.jp/articles/20180724/ddl/k04/020/050000c

【引用はじめ】
政府が幼児教育と保育の無償化を推し進める中、保育士の労働環境に注目が集まっている。名取市のある保育園では、保育士らが団結し、長時間労働の是正などを勝ち取った。在職の保育士が組合活動を展開し、労使交渉を成功させたケースは全国的にも珍しいという。【本橋敦子】

 2015年に開園した小規模保育園。現在、定員は19人で、保育士7人が交代で生後2カ月から2歳までの乳幼児を保育している。

 保育士を支援する労働組合「介護・保育ユニオン」(東京)によると、この保育園では残業代の未払いや長時間労働が常態化。人手が足りないため週6日勤務を余儀なくされ、月の残業時間が80時間に及ぶ保育士もいたが、残業代は支払われなかった。

 さらに勤務中の休憩時間はゼロ。昼食は昼寝中の子どもに目配りしながら保育室でとるしかなかった。行事で使う飾りを自宅で作るのも当たり前。園長の機嫌を損ねると保育中でも呼び出され、1時間以上の説教を受けることもあった。労働環境の悪さやパワハラに耐えかねてか、開園以来、社員7人が退職していったという。

 「このままではまともな保育ができない」。危機感を覚えた保育士7人が昨年8月、個人でも入れる同ユニオンに加入。組合を通じて改善を求めることで、園長はパワハラをやめたという。しかし労働条件は変わらず、7人は乳幼児の保護者に理解を得た上で今年3月にストライキを構えて改善を要求。結果、タイムカード通りに未払いの残業代を支払う▽賃金を1分単位で支払う▽休憩時間を取らせる--ことなどを園側に認めさせた。

 現在、産後休暇中の女性保育士(30)は園に妊娠を報告した後、勤務時間を大幅に削られ、「もっと働かせてほしい」との訴えは無視された。産休の取得も認められず「辞めるしかないと思っていた」が、組合活動を通じてようやく法定通りの産休を取得できた。「行動を起こせば職場は変わる」。自身も母親となり、保育士の労働環境を見直す必要があると強く感じている。

 同ユニオンは今後も労働環境の改善を園に求めていく方針。同園の園長は毎日新聞の取材にパワハラの事実を否定する一方、「ユニオンの要求通りに対応し、問題は解決している。先生(保育士)たちと力を合わせて名誉回復に努めたい」と話している。

 「介護・保育ユニオン」の森進生代表は「これまで、保育士は『誰でもできる』という誤った感覚が運営者にも労働者にもあり、働く人が権利を訴えることが少なかった。きちんと保育をしていくためにも労働組合を活用してほしい」と呼びかける。
【引用終わり】