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事例紹介

マタハラ対策強化  佐賀新聞の論説より

2015年4月28日

2015年4月15日 佐賀新聞の論説です。

http://www.saga-s.co.jp/column/ronsetsu/176987

 

【引用はじめ】

妊娠や出産などを理由にした職場での嫌がらせ「マタニティーハラスメント(マタハラ)」について、厚生労働省は対策を強化する。出産、育休の終了から原則1年以内に女性が不利益を受けた場合、直ちに違法と判断することを決めた。悪質な場合は企業名も公表する方針だ。これを契機に社会全体で「マタハラは違法」の問題意識を共有し、働きやすい環境づくりにつなげたい。

マタハラは、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法で禁じられている違法行為だ。違法であることの認識不足や母性健康管理に対する意識の薄さから企業の現場で横行しているようだ。

最高裁が昨年10月に示したマタハラに関する司法判断を受けて、今回の方針が出された。「妊娠後に異動先で管理職を解かれたのは男女雇用機会均等法違反」と訴えた理学療法士の女性に対し、病院側は「降格は女性の同意を得ていた」と主張。最高裁は「妊娠による降格は原則違法」などとマタハラの違法性を認定し「原告が自由な意思で降格を承諾したと認められない」とする判断を示した。

今回の方針では、妊娠、出産、育休を一つの流れととらえ、妊娠期間中に加え、育休や短時間勤務が終わってから1年以内に不利益な取り扱いを受ければ原則違法とみなす。退職などを迫った企業が「業務上の必要性」を主張する場合、債務超過や赤字累積など経営データの提出を求める。

また「本人の能力不足」を理由とした際は、妊娠などの報告前に問題点を指摘し適切に指導していたかを確認。同様の例で他の従業員への対応も調べる。企業側に立証責任を厳しく求めた格好で、一定の効果が期待できる。

連合が1~2月にかけて実施した調査では、妊娠時に不利益な取り扱いや嫌がらせを受けたとの回答が20・9%と5人に1人の割合で見られ、そのうち83・7%が「ストレスを感じた」と答えた。

佐賀県内でも佐賀労働局に相談が寄せられている。2013年度に受けた男女雇用機会均等法関連の相談で、マタハラ関連の相談は52件と全体の4割近くを占めた。

特に妊娠による体調不良を理由にした退職勧奨が目立ち、「何かあったら責任が取れない」「休みがちになると同僚にも迷惑がかかる」などと迫るケースもあったという。妊娠や出産によってフルタイムで働くことができない女性を“お荷物”とみる企業は少なくない。そのような企業にこそ意識変革が求められる。

数字として表れているのは一部に過ぎず、泣き寝入りのケースが多いとみられる。「マタハラは違法」という認識を社会全体で共有し、女性が勇気を持って相談できるような環境づくりを進めていくことが重要だ。

安倍政権は女性の活躍推進を政策の柱にしている。その実現には、女性が安心して出産し、働き続けることができる環境が大前提となる。国の調査では、第1子出産前後に退職する女性が5割以上に上る。この数字はその環境整備が不十分であるという問題を私たちに突きつけている。

少子化対策にもつながる問題であるだけに、マタハラ対策の強化を第一歩として、働きやすい環境整備の促進につなげていきたい。(梶原幸司)

【引用終わり】