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事例紹介

マタハラ深刻 「退職して」「1年妊娠するな」

2015年4月17日

2015年3月15日 東京新聞の記事です。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015033102000135.html

 

【引用はじめ】

妊娠・出産を理由に職場で不利益な扱いを受けるマタニティーハラスメント(マタハラ)の被害者のうち、社内で防止策を担うはずの人事部門の担当者から被害を受けた人が24%に上ることが、市民団体「マタハラNet」(ネット)の実態調査で分かった。ネットは、法知識の不足や法令順守意識の低さを指摘。今後、事例集を作って企業研修を行う予定で、小酒部(おさかべ)さやか代表(37)は「被害の深刻さを企業に受け止めてもらい、ともに解決したい」と訴える。 (小林由比)

 「期待に応えていない」。NPO法人に勤めていた東京都江戸川区の女性(30)に、雇用契約打ち切りの理由を説明したのは、人事を担当する総務部門の担当者だった。出産を間近に控えた昨年七月のことだ。妊娠後も連日、午後十時までの残業や土日の自宅作業をこなしていた。

 大手銀行総合職からNPOに転職したのは一昨年。東日本大震災の被災地での母子支援を担当し、やりがいを感じていた。しかし、半年後に妊娠すると「出産後はいったん退職して。保育園が確保できたらまた入って」と言い渡された。

 待機児童の多い都内では、いったん退職すれば認可保育所の入所も絶望的だ。育児休暇を取りたいと訴えたが「保育園に入れず復職できなかったらどうするの」と断られた。「経済的にも自立できず、社会的な価値がなくなったと思い、つらかった」

 かつて銀行を辞めたのも、「この会社で子どもは産めない」と判断したからだった。「一年間は絶対に妊娠するなよ」。入行三年目、異動の際に上司からこう言われた。営業店から広告宣伝などを担当する部署への異動を喜んだが、その言葉に驚いた。

 職場では妊娠中でも夜遅くまで残業する人や、産後短時間勤務制度を利用しても実際には帰れない人がいた。産休・育休で社員が抜けても補充がなく、しわ寄せを受けた他の社員らは妊婦や子育て中の人への不満を募らせていた。

 「妊娠したら、仕事は続けていけるのか」。地方出身で両親にも頼れず、夫も長時間勤務。上司に不安な気持ちを相談したが、先輩から「そういう発言はしない方がいい。評価に響く」と注意された。「キャリアを積みながら、子どもを産むのは悪いことなのか、という気持ちになった」

 八カ月になった長女は予想以上にいとおしく、子育ての喜びも感じる。四月から長女は都の認証保育所に入れることになり、求職活動する予定だ。だが、妊娠によって職を失った心の傷は深い。「就職できても、二人目の子を出産することは無理だと思います」

◆「Net」調査

 調査は一月、インターネット上で実施。過去にマタハラを受けた二十~七十代の女性百八十六人が回答した。

ネットが三十日に公表した「マタハラ白書」によると、被害に遭った年齢は二十九歳から三十四歳が多かった。回答者の雇用形態は正社員七割、非正規社員三割。企業の社員数は、十~百人が32%、百~五百人が19%、千人以上が13%。東証一部上場企業も19%あった。

マタハラをした人物として、男性上司を挙げたのは53%で最多。女性上司(22%)、女性の同僚(18%)など同性からの被害もあった。人事担当者を挙げた人が約四分の一いる一方、被害を人事に相談した人は4%とわずかだった。

社内で相談しても「対応されずそのままにされた」(56%)、「よけいに傷つく言葉を言われた」(15%)などの回答が目立った。

職場環境について、38%が「残業が当たり前で八時間以上の勤務が多い」と回答。「サポートしてくれる職場同僚の労働条件の改善」を課題解決のカギとして挙げた人も一割いた。

【引用おわり】