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事例紹介

(働く人の法律相談)拒否なければセクハラ許される? 金子直樹

2015年4月14日

2015年4月13日 朝日新聞の記事です。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11703171.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11703171

 

【引用はじめ】

「それセクハラです!」同僚や部下からそのように言われたことはありませんか? 一方で戸惑う声も。「相手が嫌がらなければ、性的な会話をしても許されますか」という質問をされることがよくあります。

セクハラとは、必要もないのに体に触れたり、性的な関係を求めたりといった行動だけでなく、性的な冗談やからかいなど言葉の嫌がらせも含みます。これらは業務とまったく関係のない行為ですから、相手が拒否しなくても、してはならないのです。

今年2月、言葉のセクハラについて、最高裁が画期的な判決を出しました。セクハラ発言を理由とする懲戒処分(出勤停止・降格)について有効と判断したのです。認定した発言は、部下の女性に、自分や不倫相手の性生活のことを話したり、女性客についての性的な感想を述べたり、部下の女性の年齢や結婚していないことをからかったりするものなどでした。

これらの発言がセクハラに当たることは当然だと思いますが、懲戒処分の有効性に関しては裁判所で判断が分かれました。高裁は、部下の女性が明白な拒否をせず、許されていると上司が誤信したことや、会社から事前に警告や注意などがなかったことで、会社の処分は無効としていました。

それに対して最高裁は、被害者は職場の人間関係の悪化を心配して、抗議や抵抗、相談をちゅうちょすることがある、と被害者の気持ちに配慮しました。そして、セクハラ行為が1年以上続いたものの第三者がいない状況だったため、「被害者からの訴えがあるまで会社側で事実を認識して警告などをする機会がなかった」としました。セクハラ発言に対して企業が厳しい姿勢で臨むことを、司法が後押しするものです。

契約社員など雇用が不安定な非正規労働者の場合は特に、契約が打ち切られる不安から、セクハラをされても声を上げることは難しいのが現状です。「本人がイヤと言っていないから」は決して許されません。

(弁護士・金子直樹)

◇ポイントは

●業務に無関係な身体接触や性的発言はすべきでない

●被害者は人間関係の悪化を心配して声を上げにくい

【引用終わり】