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事例紹介

「その言葉、セクハラです!」~防止マニュアル以上に有効なイメージ療法とは

2015年3月22日

2015年3月12日 日経BPの記事です。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20150311/438787/

 

【引用はじめ】

言葉のセクハラは強迫性障害を起こすきっかけにも

大阪の水族館運営会社で派遣として働いていた女性にセクハラ発言を繰り返した2名の男性管理職を、会社が「出勤停止・降格」処分としたのは「妥当だ」という最高裁の判決が出た。

各紙朝刊がこれを大きく報じていた。

読売朝刊は1面トップを「言葉のセクハラ懲戒妥当」の大見出しで飾り、ページを明けた3面の社説、それに加えて、社説横の解説、37面38面の社会面で最高裁判決が下されるまでの経緯を丁寧に紹介している。

テレビではNHKのNES WEBがこの裁判を視聴者の投稿を交え特集で取り上げていた。

番組には「言葉のセクハラの被害」にあった女性が登場した。

「言葉のセクハラは身体的接触に劣らない強いダメージを与える。私は、それをきっかけに、強迫性障害を発症した」

強迫性障害とは、突然わきあがる不安を抑えられなくなる病で、強いストレスでも発症すると言われる。その体験から同じ苦しみを持つ人のサポート活動をなさっているそうだ。

もう一人、法律家の立場から長らくセクハラ問題の相談にあたっている山田秀雄弁護士が「軽んじられてきた、言葉セクハラの重大さ」に改めて警鐘を打ち鳴らした。

生放送には続々と視聴者からのTwitterが送られる。そこで目立ったのは「セクハラの、アウトセーフの線引きは?」という投稿だった。

 

「俺の性欲は年々増すねん」など卑猥な言葉を連発

「言葉のセクハラ」を一躍、時代のキーワードにした「会話」を見てみよう。

大阪市港区の第3セクターの水族館「海遊館」に派遣で働く当時20代から30代だった2人の女性が、社員である男性課長代理の男性2人から1年以上に渡って「性的嫌がらせ」を受けていた。水族館ファンは伝えられた「管理職の女性スタッフへの話しぶり」にさぞ驚いたことだろう。

「海遊館」とは1990年開園の大阪市にある巨大水槽を持つ世界最大級の水族館。大阪湾に面した地上8階建ての施設関連職員はご近所さんから「ええとこ勤めてはりますなあ」とうらやましがられる存在らしい。「海のロマン」と「セクハラ」。その対比もニュースをヒートアップさせた要因だ。

男性管理職は部下の女性を目の前にこんなことを長期間繰り返し言い続けた。

課長代理A「(おれとこの)夫婦間じゃ、もう何年もセックスレスやねん」「でも俺の性欲は年々増すねん。何でやろうな?」「(自らの浮気体験をくどくど語り)こんな話し出来るのも、あとちょっとやな(派遣女子社員に会社やめろ、と暗に促す?)、寂しなるわ…」「(来館する女性客を卑猥な目で見て)好みの人がいたなあ」

課長代理B「君、もうそんな年になったん?結婚もせんで、こんな所で何してんの?親泣くで」「夜の仕事とかせえへんのか?時給いいでえ。したらええやん」「(実施されたセクハラ防止研修後の発言で)あんなん言ってたら女の子としゃべられへんよな」

 

悩ましい「言葉のセクハラ」の線引き

最高裁では、発言が1年以上にわたり執拗に繰り返されたことから「降格処分は妥当だ」と判断。「言葉だけで、セクハラと決めつけてほしくない」という原告・男性社員2人の言い分は退けられた。

新聞の見出しには「言葉だけなら、に警鐘」「言っただけで触ったわけじゃないは、通らない」「悪気は無かったの、いい訳通じず」の見出しが躍った。

「部長、その言葉、セクハラですよ」「○ちゃんも大人になんなきゃ」。こんな従来の上司と部下とのやり取りが「訴えられるかもしれない!」。管理職男性を中心に日本中の企業で戦慄が走ったことだろう。

「セクハラ」を「他人事と放置したら社の信用が地に落ちる」。かつて無くセクハラに危機感を持った企業も多かった。特に「言葉だけでセクハラ」はインパクトを持った。

「セクハラになる言葉、ならない言葉の線引き」を「危機管理担当」は必死に探したかもしれない。しかしこれは難題だった。

報道のあと私は、労働省が企業向けに出した「セクハラ防止義務」のための通達や指針に目を通した。「セクハラ基準手引き」のようなものがあるだろうか?

「職場のセクハラ」に直結する法律「男女雇用機会均等法」をぺらぺらめくったが、「ずばり」な言葉は見つからない。

他の法律書などあたって見たが「セクハラとは、意に反する性的言動」とはあるが「何をもって<意に反する>と断定するのか? <不快>と判断するか?」

瞬時に判断のつくマニュアル的基準を示すものは無い。

そもそも「マニュアル対応すればいい」というものではないからだろう。とはいえ処分を下す立場の企業も、「悩ましい」と感じたのではないか。

 

「言葉のセクハラ」対策に役立つ人事院のマニュアル

役所の文書は概ね「主観的な感情を見極めることが必要である」「被害にあった女性(被害者が男性の場合は男性)労働者の感じ方を基準とすることが適当である」と「当事者の裁量に委ねる」姿勢だ。基準も「被害者の感情、当事者の裁量」と曖昧だ。「気持ちを感じ取れ、推し量れ」と言うは易しだが行うは難しだ。

「対策マニュアル」に近いものが、思いもよらず「人事院の指針」にあった。

国家公務員を司る人事院の「セクハラ関連の指針」はよくできている。そこには「セクハラになりやすい言動リスト」「セクハラの実態理解に資する内容」など「言葉のセクハラ対策」に役立ちそうなことが書かれているので、その一部を抜粋してみた。

セクシュアル・ハラスメントをなくすために職員が認識すべき事項についての指針

「セクシュアル・ハラスメントになり得る言動」

一 職場内外で起きやすいもの
(1) 性的な内容の発言関係
ア 性的な関心、欲求に基づくもの
1.スリーサイズを聞くなど身体的特徴を話題にすること。
2.聞くに耐えない卑猥な冗談を交わすこと。
3.体調が悪そうな女性に「今日は生理日か」、「もう更年期か」などと言うこと。
4.性的な経験や性生活について質問すること。
5.性的な噂を立てたり、性的なからかいの対象とすること。

イ 性別により差別しようとする意識等に基づくもの
1.「男のくせに根性がない」、「女には仕事を任せられない」、「女性は職場の花でありさえすればいい」などと発言すること。
2.「男の子、女の子」、「僕、坊や、お嬢さん」、「おじさん、おばさん」などと人格を認めないような呼び方をすること。

すべてのケースは無理だが、具体的な光景が浮かびやすい。少なくとも「言った本人が意図しようとしまいと<不愉快だ><性的だ>と受けとめられる言動はセクハラだ」と覚えておきたい。

 

「イメージ療法」を応用してみる

「今日のスカートいいねえ」

好きな男性に言われればうれしい褒め言葉も、いけすかない男性に言われたらセクハラだ。「俺が駄目で、嵐の松潤似のあいつならいいのは納得出来ない!」と理屈をはいても駄目だ。「セクハラとは、意に反する性的言動」「被害にあった女性(被害者が男性の場合は男性)労働者の感じ方を基準とすることが適当」だからだ。

NHKに登場した山田秀雄弁護士は「解決策」として「加害者の想像力と共感」という言葉をしきりに口にされていた。

しかし「想像する」「共感する」とは具体的にどうやったらいいのか?

スポーツでは「イメージリハーサル法」が、心理臨床でも「イメージ療法」が行われている。これは「セクハラ」防止にも役立つかもしれない。

具体的には「空の上から地上で言葉を交わすあなたと相手の会話」を見下ろし、聞き耳を立て観察するイメージだ。周囲の雑音も聞こえず、あなたと相手の表情、反応はくっきり見えている。

では試しに、今回矢面に立たされている管理職Aさんを空に上げてみよう。

上から見ると、自分(Aと)と相手(派遣女性)が向かい合っている。

自分が何だか上司面してエラそうだ。一方、女性は無理矢理会話に付き合わされているように見える。

管理職Aさん「夫婦間じゃ、もう何年もセックスレスやねん」「でも俺の性欲は年々増すねん。何でやろうな?」(自らの浮気体験をくどくど)

女性「そうなんですねえ…」

作り笑顔は引きつり不愉快な感情が爆発するのを堪えている。

 

「想像力を発揮する」時に役立つテクニック

「俺こんなバカなことを言って困らせていたんか・・」

空の上から一部始終を見れば自らの言動、それに対する相手の反応がありありと目に浮かぶ。

上から見下ろし俯瞰して自分の会話を客観的に聞き直す。

これが「想像力を発揮する」時に役立つテクニックだ。「想像力を発揮しろ」の一言で理解出来る人には無用だが、そうでない方にお勧めだ。

とはいえ、こんなややこしい理屈は忘れ「瞬時に相手の立場、相手の感情に気づく」ことが「セクハラの無い、居心地のよい職場」を作る要であることはもちろんだ。

【引用おわり】

職場環境改善工房では、多くのセクハラ事例も相談受けています。
本当に信じられないことですが、
・身体検査という名目で、女性上司が女性の部下を脱がさせた

・しきりにホテルにLINEで誘ったりする。

という事例も相談として承り、対処をしてきました。

職場環境改善工房では、パワハラ・セクハラの無料相談を承っておりますので、お悩みの方はご相談ください。(こちらをクリックすると、相談フォームになります

 

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