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事例紹介

企業がとるべきセクハラ対策を考える!(後編)

2014年12月24日

2014年12月18日 企業法務ナビの記事です。

http://www.corporate-legal.jp/houmu_news1736/

 

 

【引用はじめ】

セクハラ“事後対策”も、もちろん重要です!

前回(2014年12月17日、「企業がとるべきセクハラ対策を考える!(前編)」)は、企業がとるべきセクハラ対策について、厚生労働省の「セクハラ指針」を参考に、とくにその“事前対策”を検討しました。
しかし、どんなにセクハラ防止の事前対策をしても、育ってきた環境や価値観、考え方の違う人々が多数集まって組織されている団体や企業において、セクハラを100%確実に事前に防止するということは現実として難しいかもしれません。そして、セクハラが発生した場合、企業がいかに迅速かつ適切に対応するかで、被害者、また企業のダメージの具合は大きく変わってきます。したがって、企業の法務・人事担当など管理部門としては、セクハラの事前対策だけでなく、事後対策について予めそのマニュアルを作成したり、対応策を具体的に検討しておくことも非常に重要になります。それでは、今回も厚生労働省の「セクハラ指針」を参考に、企業がとるべきセクハラの“事後対策”を考えてみましょう。

具体的なセクハラ事後防止策を考える

(※前回の記事でセクハラ事前防止策として“①~④”を御紹介しました。)
⑤「事実関係の迅速かつ正確な確認」
事実確認は、被害の継続、拡大を防ぐために、相談があった場合、また社内においてセクハラ行為が発覚した場合に、迅速に開始することが何より大切です。その際、相談窓口の担当者や管理部門などは、セクハラ被害者や相談者のみならず、行為者とされる者の双方から事実確認をし、これらの者の間に事実関係に関する主張に不一致がある場合には、第三者からも事実関係を聴取するなどの措置を講ずることも必要でしょう。
また、事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたけれども確認が困難な場合等は、男女雇用機会均等法18条に基づく調停の申請を行うなど、中立な第三者機関に紛争処理を委ねる方法も考えられます。
※男女雇用機会均等法 第18条1項
都道府県労働局長は、第16条に規定する紛争(労働者の募集及び採用についての紛争を
除く。)について、当該紛争の当事者(以下「関係当事者」という。)の双方又は一方か
ら調停の申請があった場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、
個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第6条第1項の紛争調整委員会(以下「委員
会」という。)に調停を行わせるものとする。

⑥「被害者に対する適正な配慮の措置の実施」
被害者と行為者の関係改善に向けての援助をしたり、逆に、被害者と行為者を引き離すために配置転換を行うなど、事案の内容や状況に応じて、臨機応変な対応が求められます。さらに、企業内の産業保健スタッフ等によるカウンセリングを受けるなど、被害者のメンタルヘルスに配慮した対応も場合によっては必要でしょう。

⑦「行為者に対する適正な措置の実施」
セクハラの事実が確認されたにも関わらず、その問題を軽く捉えて個人間の問題として当事者の解決に委ねようとしたり、企業の体裁を考えて秘密裏に処理しようとして、企業がセクハラ問題に真摯に向き合わないと、被害者は最終的に裁判に訴えるなどして、かえって問題がこじれて大きくなり、企業にとって大きなダメージとなりかねません。
セクハラの事実が確認された場合、被害者にとっても、企業にとっても損害が少なく、速やかに問題を解決させるために、企業は、就業規則やその他のセクハラに関する職場の規定など公正なルールに基づいて、速やかに行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずることが重要です。こうした、企業のセクハラに対する厳然とした対応こそが、セクハラ被害者、また職場においてセクハラの被害を受ける可能性のある者の企業に対する信頼を生むと同時に、セクハラ行為に対する大きな抑止力になると思われます。

⑧「再発防止措置の実施」
社内においてセクハラが確認された場合のみならず、たとえセクハラが生じた事実が確認できなくても、セクハラに関する相談が寄せられた場合は、これまでのセクハラ防止対策に問題がなかったか再点検すべきです。
そしてもちろん、職場におけるセクハラがあってはならない旨の方針及び職場におけるセクハラに係る性的な言動を行った者について厳正に対処する旨の方針を、社内報やホームページなどで随時配布、掲載し、また、セクハラに関する意識を啓発するための研修やセミナーも、定期的に実施するべきでしょう。

事前・事後を問わず行うべき措置

⑨「当事者等のプライバシー保護のための措置の実施と周知」
職場におけるセクハラに関する個人情報は、個人のプライバシーに大きく関わるものです。したがって、相談者や行為者等のプライバシー保護のために、相談窓口の担当者はとくにその情報の取り扱いに注意せねばならず、事前にプライバシー保護のためのマニュアルを定めて、そのマニュアルに基づいて対応したり、相談窓口担当者向けの研修を行うなどして、これに対する配慮を徹底することが企業には求められます。
また、このように、相談者や行為者等のプライバシーを保護する為に企業が必要な措置を講じていることを、社内報やホームページなどでアピールすることで、社員は安心してセクハラに関する相談をすることができます。

⑩「相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知・啓発」
職場におけるセクハラの大半が、行為者が上司、被害者が部下というケースです。したがって、被害者である部下は、社内においてセクハラを相談したがゆえに、希望しない土地に転勤させられたり、果ては解雇を迫られるなど、不利益な取扱いを受けることを恐れて、なかなか相談ができないという現状が少なからずあります。また、上司のセクハラを目撃したであろう同僚も、上司の圧力や不利益な取扱いを恐れて事実確認の協力に消極的になるケースも考えられます。そこで、企業としては、就業規則やその他職場における文書において、社員が職場におけるセクハラに関して相談したこと、又は事実関係の確認に協力したことなどを理由として、その社員が解雇等の不利益な取扱いをされない旨を規定し、さらにそれを社内報やホームページで周知、啓発することが必要でしょう。

最後に

以上の10項目が、厚生労働省が掲げる「セクハラ指針」に記載されている、事業主が講ずるべきセクハラ対策です。
もちろん、上記に掲げた対策のみを行えば完璧というわけではなく、上記対策以外にも、企業はその規模や性別・年齢構成など、個々の抱える様々な条件によって、自社に合ったセクハラ対策を充実させる必要があります。そして何より、形式的にセクハラ対策制度やマニュアルを作成し、周知・啓発活動を一度行えばそれで対策が万全というわけではなく、セクハラの行為者とされることが多い管理職層に対しては定期的な講習会やセミナーを実施したり、新入社員の入社時期や異動の多い時期に社内全体でセクハラ対策の周知を徹底するキャンペーン期間を設けるなど、企業の管理部門には、いかに効果的にそのセクハラ対策を社内に浸透させることができるか、臨機応変に工夫することが求められていると言えるでしょう。
最後に、以下のリンクから、あなたの会社のセクシュアルハラスメント対策が万全かどうかチェックすることができます。セクハラの被害者、そして企業自身が大きなダメージを負わないよう、これを機にもう一度自社のセクハラ対策を見直してみてはいかがでしょうか。

【引用おわり】