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事例紹介

こんにちは!あかちゃん 第23部】これってマタハラ?<2>夜勤、時間外 妊婦でも

2014年12月1日

西日本新聞11月12日の記事です。

http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/126563

 

(引用はじめ)

《命を預かる最前線の病院。だがそこで働く職員の「おなかの命」は激務に脅かされている。福岡県内で勤務する看護師の可南子さん(40)、香織さん(43)=いずれも仮名=が実態を語った》

 可南子さん 「すみません。妊娠しちゃいました」。おめでたいことなのにまず謝る。上司は「困ったね。どうしよう」。私の職場は月13回程度の夜勤は当たり前。1人が休めばその分増える。だから周囲に配慮して妊娠後も夜勤を続けるんです。

 香織さん うちも夜勤免除者はゼロ。法律で認められていても申請できる状況じゃない。同僚はつわりが重かったけど、病欠すると「何で彼女だけ」と非難する人もいた。自分も休めばそう言われると思い、おなかが張る日は薬を飲み、破水の恐れがあっても働いた。産休に入った翌日から1カ月入院しました。

 可南子さん 私は小児病棟にいて、患者を抱えてベッドに移したり、暴れる子に蹴られたりもした。出産予定の1カ月前まで夜勤や時間外勤務を続けた同僚は、産休に入ると死産した。人を助ける看護師が、わが子は犠牲にさせられています。

 《日本医療労働組合連合会(医労連)が昨年行った「看護職員の労働実態調査」では、妊娠時に夜勤・当直を続けた人は3割を超え、日数を減らせた人は27%だった。3人に1人が切迫流産・早産(流産・早産しそうな状態)で、順調に出産できた人は3割を下回った》

 可南子さん 産んでからも、子どもの病気などが大変。登園時間に熱が下がるように座薬を入れて、保育所に黙って預けることもあります。

 香織さん 保育所から「熱が出た」と連絡が来たが、上司に「早退制度はない」と止められて。やっと病院に連れて行ったとき、娘はけいれんして呼吸が止まった。もし死んだら訴えてやると思いました。

 可南子さん 勤務が大変で子持ちや年配者は辞めていき、若い人で勤務を回している。女性だけの職場だけど、妊娠や子育てのつらさを分かってもらえないことも多い気がします。

 香織さん 主任などの役職に就くと、休日の研修に出ないといけない。子育てができないと言って断る人もいる。

 可南子さん うちは子どもを夫に見てもらうから、夫は時間の融通が利く非正規雇用。

 香織さん 私が夜勤があり、夫は残業できないから収入に差がつき、出世も遅れた。それが原因で離婚し、3人の子は県外の実家で5年間育ててもらった。育児と仕事の両立が当たり前になれば、看護の質が上がるし、復帰したくてもできない潜在看護師も減るはずです。

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 人員不足を背景に、妊娠しても業務軽減を求めづらいなどの「隠れマタハラ」は、あらゆる職場で横行している。

 関東労災病院(川崎市)の医師星野寛美さんは「妊婦が働くこと自体に問題はない」と強調した上で、「労働状況と妊娠異常の因果関係はよく分かっていないが、影響する可能性があるから労働基準法に時間外労働や深夜業の制限が盛り込まれている。切迫流産・早産の人が休養しにくい雰囲気があるとすれば改善が必要で、職場の責任でもある」と話す。

 ジャーナリストの小林美希さんは「流産の多くは染色体異常が原因。だがそれ以外の、職場などの環境がよければ産まれたかもしれない命は流産のうち10~50%あるという調査があり、試算すると少なくとも年間2万を超える。妊婦が無理なく働ける環境は女性だけでなく子どもの権利です」と指摘した。

(引用おわり)