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事例紹介

(患者を生きる:2654)働く 職場のうつ:1 繰り返す発熱、きっかけ

2014年11月26日

2014年11月18日朝日新聞の記事です。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11460910.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11460910

 

 

(引用はじめ)

きっかけは、発熱だった。

東京都の男性(42)は2002年9月、38度台の高熱が1週間続いた。37度台の微熱に下がったが、それも2週間続いた。電機メーカーに就職して5年目だった。

「疲れが出たのかな」。最初は、その程度に考えていた。

当時、取引先の会社でシステムのトラブルがあり、担当のシステムエンジニアとして、その対応に追われていた。家に帰っても、トラブルの度に呼び出される。昼も夜も関係ない。睡眠時間は平均して1日3時間。多くても4時間ほどしかとれなかった。休日はほとんどなかった。

「休むわけにはいかない」。仕事は山ほどあった。「社会基盤を底辺から支えている」。激務のなか、その自尊心が倒れそうな体と心を支えていた。「いけるところまで頑張ろう」。発熱がある状態で出勤を続けた。周りもみんな同じように働いていたし、「休め」という声はなかった。

11月、腹痛と下痢が続くようになった。ある夜、トイレの中で、あまりの激痛に意識を失った。異変に気付いた妻がドアをノックし続けた。その音で我に返った。

タクシーで救急病院に行き、そのまま入院になった。ストレスと過労で、急性胃腸炎と十二指腸潰瘍(かいよう)になっていた。

1週間ほどで退院でき、数日休んで職場に復帰した。だが、すぐに発熱し会社を休んだ。発熱しては休み、おさまると職場へ――。やがて、その繰り返しになった。

年が明けても調子は戻らない。熱が下がらず、一日また一日と、休む日が多くなっていった。「自分はなんでこんなに弱いのか」。布団のなかでもんもんと考え続け、自分を責めた。

悪夢にもうなされるようになった。トラブルが起きて呼び出され、うまく対応できない。上司や顧客から「どうなっているんだっ」と責められる。

「休みが多い。カウンセリングを受けてください」。03年春、上司から告げられた。診察した産業医から「心療内科へ行くように」と指示された。近くのクリニックに行くと、うつ病と診断された。

5月、休職に入った。少し休めば、また元通り働ける。最初は、そう信じていた。

(武田耕太)

(引用おわり)