パワハラ防止を通して職場環境の改善を創造する職場環境改善工房

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事例紹介

私もいる。 北海道新聞のコラム

2014年11月23日

2014年11月16日 北海道新聞のコラムです。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/574723.html

(引用はじめ)

樋口一葉に「十三夜」という作品がある。玉のこしに乗った娘お関が夫にいじめ抜かれて離縁を決意し、実家に帰る。家のためにと父に説得され、泣く泣く戻る▼拾った人力車を引くのが録之助だった。心を寄せ合う仲だったが、お関の縁談後は放蕩(ほうとう)を繰り返し落ちぶれた。録之助が近況を話すとお関は<つらいこの世に一人で生きていると思って下さるな。私もどこかにいる>とつぶやいた(現代語訳)▼東京地裁で今月、過労自殺で判決があった。首都圏のステーキチェーン元店長が24歳で自殺したのは長時間労働と上司によるパワハラが原因と認定した。亡くなる前の7カ月の休みは2日で上司の暴言、暴行は日常的▼若者が人生に絶望してもおかしくない環境だ。経営者側は無理な労働の自覚を欠いていないか。判決は問題軽視への警鐘である。それにしても過労自殺が後を絶たないのはなぜなのか▼精神病理学の野田正彰さんは「体と心の異変を知って、会社に訴え、そこから逃げ出す生き方を社会が育てていない」(「背後にある思考」みすず書房)と説明する。仕事を最優先に苦しさを黙って抱え込む傾向は否定できない。代わりに心と体が「もうだめだ」と言うのである▼救いとなるのは周りの目配りだろう。悲しい出来事となる前に<独りではない。私もいる>と気遣う人が職場にいてほしい。いなければ育んでいかねばならない。2014・11・16

(引用おわり)