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事例紹介

妊娠降格に違法判決 多様な働き方へ発想の転換を

2014年11月20日

2014年10月26日 愛媛新聞の記事です。

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201410260897.html

 

(引用はじめ)

妊娠による降格は、原則違法―。最高裁が一、二審を覆し、初の判断を下した。広島市の病院に勤務していた理学療法士の女性が、病院側に賠償などを求めた訴訟だ。女性が自由意思で同意するか、業務上の必要性など特殊事情がない限り、例外は認められないと、違法かどうかの「線引き」ルールも示した。
働く女性が、妊娠や出産を機に解雇や減給など不利な扱いを受けるマタニティーハラスメント(マタハラ)は、後を絶たない。男女雇用機会均等法で明確に禁じているが、罰則がないこともあって、施行から30年近くたってなお、多くの女性が泣き寝入りを強いられている。
女性が子どもを産み育てながら安心して働ける社会の実現へ、一石を投じた判決の意義は大きい。企業は重く受け止め、足元を見つめ直してもらいたい。行政が問題企業を厳しく指導する仕組みづくりなど、社会全体で労働環境改善に取り組まねばならない。
安倍政権は女性が活躍できる社会を看板に掲げている。一方で少子化対策として出産も奨励する。ハンディやリスクを解消しないまま、スローガンを並べているだけでは、どちらも実現できまい。
厚生労働省の統計によると妊娠出産による不利益処分に関する相談は、昨年度2千件を超えた。連合が昨年から実施している調査でも、解雇や自主退職への誘導、重労働の強制など生活や健康に関わる深刻な訴えが目立つ。「出産は病気じゃない。甘えるな」「周囲に迷惑がかかる」などの言葉に追い詰められた末、流産に至った事例もあり、放置できない。
これらは意識改革や個々の対応だけでは解決しない。雇用側に余裕がなく、カバー体制の不備によって、産休や育休で周囲にも大きな負担がかかる。組織的に支えられるシステムづくりが不可欠だ。
しかし、これまでのように人件費を削り、ぎりぎりの人員と長時間労働で、より多くの利潤を追求し続けている限り、いつまでたっても、改善はできまい。
この機に、使い勝手の悪い人を切り捨てる効率最優先の社会から、多様な人が労働と利益を分け合って働ける社会へと、発想転換を求めたい。これは妊婦に限った問題でない。今後ますます増える介護に対応し、男性の育休取得を保障し、病気や障害があっても持てる力が発揮できる安定した労働環境を構築したい。
少子高齢化や労働者不足はより深刻さを増す。残業や配置転換をさせやすい人を良い労働者とする考えは、とうに見直す時期に来ている。多様な人が力を出し合える働き方をつくらない限り、社会が立ちゆかなくなることは、目に見えていよう。

(引用終わり)