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事例紹介

たかの友梨氏が「ブラック?」「パワハラ?」① 全従業員に送ったFAX文書から読み取る、たかの氏の経営者としてのマインド。

2014年9月1日

 

たかの友梨氏が経営する「たかの友梨ビューティークリニック仙台店」の従業員が長時間労働など、労基法違反状態を是正して欲しいと労働組合「エステ・ユニオン」(正式名 ブラック企業対策ユニオン エステ・ユニオン支部)の組合員となり、団体交渉を重ねたが、うまくいかず、仙台労働基準監督署から是正勧告が「たかの友梨ビューティークリニック(運営会社 不二ビューティー)」側になされ、それを受け、急遽たかの氏が仙台店を訪れ、店長及び従業員の計18人全員を飲食店の個室に集めて、2時間半にわたり、組合員の女性に向けた内容を録音したデーターの一部が「エステ・ユニオン」側から公開された件で、大きな話題を呼んでいる。

 

 

私自身、公開された録音を聞いたが、注目したのは、そのなかで、全社員向けにFAXで送信したという文書の読み上げた内容だ。

ここには、現代の「ブラック企業」につながる経営者の典型的な思考が示されている。ここでは、たかの氏が幹部社員に読ませた「文書」の内容から、「ブラック企業化」を容認してしまう経営思考について、述べていこうと思う。

 

まず、問題の文書について、引用したい

(引用ソース)

http://withnews.jp/article/f0140828001qq000000000000000G0010401qq000010751A

 

【引用はじめ】

 

たかのファミリーへ。

最近、サロンに、ユニオンという所からはがきが届いているところがあるかと思います。そのことに対して、経過説明をします。仙台店の社員数名が、「ユニオン」という団体に加入し、「正義」という名を借りて、会社に待遇改善の団交を要求、また、労基署にも訴えたり、マスコミにも過激な文章を流したり、各サロンにも2回も団体への入会勧誘のはがきを出したりしています。

ユニオンはともかく、働きやすい会社を作りましょうと、正義という名を借りて、自分の要求をしてきます。また、長年勤務してくれていたベテランセラピストが、職場にいながら、会社に矢を向けています。勤勉で、心あると思っていた社員が、いきなり、会社誹謗の反旗を掲げる。創業36年、初めてのことです。

(略)

 

何もできなかったみんなは、給与を得ながら、アカデミーに、エステの基礎を学び、一年間は大切なお客様に、拙い技術で迷惑をかけながら、一歩一歩腕を上げていけた。お客様のクレームや危害は、すべて会社が解決していった。先輩はみんなのために、残って教えてくれた。店長は自腹でごはんをご馳走してくれた。悩んでる時は一緒に泣いてくれた。

やめた仲間も多々いる中で、頑張ってきたあなたは、ある日お客様のありがとうの言葉でじーんとして、この仕事で頑張ろうと覚悟を決めた。もっと違う仕事もあるし、楽な仕事もあります。でも、エステをやるなら、たかのでやると心に決めたあの日がある。

(略)

 

新年会や運動会で仲間と盛り上がった。いろんな青春の思い出を泣いたり笑ったりして、大切な仲間がいるから、そして会社は人として女性として、技術はもとより、成長できる自分磨きの場所だった。上質なお客様、すてきなインテリア、最先端の商材、魅力的な先輩。たかの友梨ビューティクリニックは60歳を超えても働けます。いま現在、働いてる方もいます。独立して成功してる先輩もたくさんいます。高野には新しい出会いと夢があります。皆さんにいまの職場があるのは、先輩たちは汗と涙で頑張ってくれたから。感謝感謝ですね。

昨年度よりさらに働きやすい職場にするために、昇級もし、休みが取りやすいように一部サロンでは連休やお盆休みを作ったり、フレックスをとるよう本部で指導したりしていましたが、なかなか中堅社員の皆さんへの負担がかかっている状況は否めません。いままで頑張った人には、報償や賞与で評価してきましたが、今後はより皆さんの働きやすい環境となるよう変えていきます。働きたい人には違う働き方を考えていきます。

 

会社を誹謗することは、自分のこれまで頑張ってきた道を汚すことだと私は思います。

 

昨今、エステ業界は悲惨な現状で閉店を余儀なくされています。原因はお客様の高齢化と少子化による人口減少と消費税の増税等です。当社も例外ではありません。

(略)

 

私たちの職場は客商売であるため、暇な時間もあり、工場や公務員のようにいかないことはご存じのことと思います。エステティシャンは手に職をもった職人です。職人が育つためには勉強と訓練の時間も必要です。思い出してください。あの日、人を癒やしたい、人をきれいにしたいと心に決めた自分の決断を。 とはいえ、会社は古い体質から生まれ変わろうとしています。会社の、そして自分の歴史を汚さないでください。私を好いて、私を信じて、ついてきてください。

高野友梨

 

【引用おわり】

 

ここではじめに注目したいのは、

  • ・      「正義」という名を借りて、会社に待遇改善の団交を要求、
  • ・     働きやすい会社を作りましょうと、正義という名を借りて、自分の要求をしてきます。

という文言です。この2文は共に【正義という名を借りて】という言葉がありますが、もともと労働三権(団結権 団体交渉権 団体行動権)は憲法で保障されている権利です。ですから、労働組合として待遇改善の団体交渉を要求をすることは、正義を借りているわけでもなく、正当な権利を正当な手順に沿って行使しているだけに過ぎないのですが、それを【借りて】要求したと言っているところを見ると、たかの氏の根底にある従業員感には、どうやら「私こそが正義」であり、「従業員は私という正義に到達していない人間」であり、「従業員は私が掲げる会社像や会社のあり方に従うべき」という考えがあるようです。ですから、「私という正義」の域に達していない人間が、【正義という名を借りて】要求をしてくると言う感覚があるのでしょう。

 

また、

  • ・      会社誹謗の反旗を掲げる

という言葉に、たかの氏の率直な本音と本性が如実に現れています。従業員が合法な手順を踏んで待遇改善を要求する行為を【反旗】と捉え、会社を【誹謗】する目的だと錯誤している点は、たかの氏の内面の中では明らかにエステユニオンの組合員である女性従業員を「敵」と捉えています。そして、これはたかの氏が従業員を「私に対して従順な人間か」「私に対して敵か」という2種類に捉えていることを表しています。従順でなくても、「同調できるか、できないか」で敵味方をわけているのです。つまり、「私という正義」に同調しない従業員は「敵」だと考えているのです。

そして、たかの氏の「私こそが正義」という部分が鮮明に出ているのが、次の部分です。

  • ・      何もできなかったみんなは、給与を得ながら、アカデミーに、エステの基礎を学び、一年間は大切なお客様に、拙い技術で迷惑をかけながら、一歩一歩腕を上げていけた。お客様のクレームや危害は、すべて会社が解決していった。先輩はみんなのために、残って教えてくれた。店長は自腹でごはんをご馳走してくれた。悩んでる時は一緒に泣いてくれた。

 

  • ・     やめた仲間も多々いる中で、頑張ってきたあなたは、ある日お客様のありがとうの言葉でじーんとして、この仕事で頑張ろうと覚悟を決めた。もっと違う仕事もあるし、楽な仕事もあります。でも、エステをやるなら、たかのでやると心に決めたあの日がある。

 

  • ・     新年会や運動会で仲間と盛り上がった。いろんな青春の思い出を泣いたり笑ったりして、大切な仲間がいるから、そして会社は人として女性として、技術はもとより、成長できる自分磨きの場所だった。上質なお客様、すてきなインテリア、最先端の商材、魅力的な先輩。たかの友梨ビューティクリニックは60歳を超えても働けます。いま現在、働いてる方もいます。独立して成功してる先輩もたくさんいます。高野には新しい出会いと夢があります。皆さんにいまの職場があるのは、先輩たちは汗と涙で頑張ってくれたから。感謝感謝ですね。

 

  • ・     私たちの職場は客商売であるため、暇な時間もあり、工場や公務員のようにいかないことはご存じのことと思います。エステティシャンは手に職をもった職人です。職人が育つためには勉強と訓練の時間も必要です。思い出してください。あの日、人を癒やしたい、人をきれいにしたいと心に決めた自分の決断を。

 

この部分は、非常に情に訴えています。情に訴えて、「私はあなた達従業員の味方なのです。」と主張しています。ただ、これらの文の中には、「会社」や「たかの」を通した自画自賛の部分があります。

  • ・      お客様のクレームや危害は、すべて会社が解決していった。
  • ・     でも、エステをやるなら、たかのでやると心に決めたあの日がある。
  • ・     会社は人として女性として、技術はもとより、成長できる自分磨きの場所だった。
  • ・     高野には新しい出会いと夢があります。

お気づきでしょうか、これらの文は全て「言い切り形」かその過去形で終わっています。つまり、言い切ることで従業員が「たかのは素晴らしい会社だ」という思考から外れないように意識しています。そして、会社が従業員にとって如何に有益であるかを美辞麗句を並べる表現して、「私が正義である」と主張しているのです。

 

また、この部分にも注目したい。

  • ・     あの日、人を癒やしたい、人をきれいにしたいと心に決めた自分の決断を。

ここには「たかのは人を癒し、ひとをきれいにする場所である」という思考以外は寄せ付けようとしてません。

一つの考えだけに従業員を縛りつけることで、一切の批判を認めようとしていないのです。

というのは、本来、この部分は、たかの有梨ビューティークリニックの理念の一部分であり、常に追求していく部分でもあります。しかし、ここには、「たかのは人を癒し、ひとをきれいにする場所として完成されている」という思考が見えています。それは【正義を借りて】の部分から考えると、そうなるのです。自らを正義と考える場合、その正義は完成されていなければいけません。不完全な正義は、結局「正義」ではありません。綻びが少しでもあれば、正義は少しも正義にはならないからです。つまり、たかの友梨ビューティークリニックを「完成された場所」と位置づけることで、従業員が「完成を目指す場所、修行の場所」として、【自分の決断を】したのだといっているのです。

 

 

※続きは後日書きます。しばしお待ちください。