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事例紹介

上司から部下だけじゃない!? 誰のためにパワハラを防止するのか (ネット上のコラムから)

2014年8月29日

ネットでパワハラに関する面白いコラムを見つけたので、ここでご紹介します。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1204/03/news009.html

(引用はじめ)

「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職場上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」

2012年1月30日に公表された厚生労働省によるパワーハラスメント(以下、パワハラ)の定義(外部リンク) です。

企業を取り巻く人権問題やメンタルヘルス問題、企業の不祥事や情報漏洩など、かつてはあまり世に出ることのなかった問題が今注目されています。なかでも精神障害による労災請求件数や実際の認定も増加傾向にあります。1998年には42件の請求が、2010年には1181件ですから、12年間で約30倍となったわけです。個別労働紛争相談件数をみても、いじめ・嫌がらせに関する相談は3万9405件という数で、こちらも10年でほぼ3倍にふくらんでいます。

……といっても、これらの相談がすべていじめ・嫌がらせというわけではなく、単なる受け手の誤解という事例もあります。

しかし、さまざまなハラスメントが潜む職場こそ、マイナス情報を上司に報告しにくい空気感を作り、隠ぺい体質が醸成されていくとも言われています。オリンパスの例をとっても、今回の事件と昨年の内部告発による訴訟事件との関連性は否めないと言えるでしょう。

そんな折に、冒頭のパワハラの定義が公表されたわけです。パワハラは造語ですから海外ではそのまま通じるわけではありませんが、日本で問題視され始めた事象だけに一体どういったものなのかを初めて世に明確にしたという点で意味があると言えます。

職場上の地位とは、上司が持つパワーです。人間関係などの職場内の優位性とは、上司とは限らず誰でも持つ可能性があります。学校の生徒同士のいじめなどもその優位性を使ったものでしょう。

「業務の適正な範囲を超えて」というのは、一番悩ましい判断基準ですが、例えば建設現場と研究所では大きな違いがあります。建設現場でボケッとしている部下に上司が「ばかやろう!」と大きな声で叫んでも業務の範囲かもしれませんが、シーンと静かな研究所で同じように叫んでは業務の範囲外になってしまう可能性があります。

そういった言動によって、精神的に病んでしまったり、身体的に働けない状態に陥ってしまえば、会社にとって大きなダメージです。また、パワハラを受けてなくても、それを見ていて気持ちの良くない周囲の社員の効率が落ちることも会社にとってはマイナスです。

では、上司から部下へのパワハラはいったいどれくらいの割合かというと、厚生労働省の外郭団体の調査によるとパワハラ問題全体の6割程度だそうです。つまり、残りは部下から上司、同僚から同僚ということです。

さて、パワハラとはどんな状態をイメージするでしょうか。

成績の悪い部下に対して、書類などを投げつけたり、デスクを蹴ったり……もしかすると、徒弟制度の残る料理人の世界などは今でも当たり前かもしれません。

または自分にとって都合の悪い意見を持つ部下を左遷したり、給与を必要以上に下げたりなどが考えられます。これらは悪意をもったひどい例と言えるでしょう。

一方、悪意はまったくなくても、ミスの多い部下をなんとか育てるために、あるいは何とか会社にとって利益がでるように部下に注意・叱責を続け、堪忍袋の緒がきれた瞬間に人権侵害言動が爆発してしまった結果ということも事象としては増加してきています。

高度経済成長のころ、あるいはバブルのころ、上司から必要以上の厳しい指導を受けて育った人にとっては、そういった指導は決して悪ではありません。むしろ、古き良き時代の思い出でもあり、それこそが立派な部下を育てる育成方法と思いこんでいる場合が多いのです。

社会全体が右肩上がりに伸びていた時代だからこそ許されていたことが、現在の混沌とした時代においては許されなくなってきています。上司のパワハラ的指導のもとでいくら身を粉にして頑張っても給料も上がらないのでは前向きにはなれないし、世の中に大きな役割を担っていると思えば耐えられることも、社内で隠蔽している情報が世の中にマイナスであるならば、自分のしている仕事へのやりがいやプライドがなくなってしまい、理不尽と言えるひどい叱咤を耐えることなど無理といえます。

 

 しかし、一方でパワハラになることを恐れ、上司が部下に対して必要な叱責・注意をできなくなっていることも現状として存在します。これは組織として大きな問題です。「事柄をしかっても人柄はしかるな」と言われているように、パフォーマンスそのものに対しては厳しい叱責は必要なことです。

ところが、正当な叱責であれ、それによってストレスを感じる部下がメンタル不全に陥ったり、お酒に誘うことさえ誘いにくい状況において、パワハラ防止そのものが弱者保護ととられることもあるようです。

ですが、それを弱者保護と思った時点でパワハラやセクハラ、そのほかのハラスメントそのものを防止することは不可能なことではないでしょうか。

なぜか。

それは私たち同じ人権を持つ人間同士は弱者・強者で分けることなどできないという視点から、この問題に取り組んでいかなくてはいけないからです。

弱者・強者ではなく、人としての違いはあります。その違いを受け入れ、理解し、それを生かしていこうとする視点があれば、ハラスメントなんて起きないでしょう。国籍、民族、性別、年齢、生まれた場所、学歴、生きてきた環境、すべてが違いとなるわけですが、そういった異文化の相手といかにコミュニケーションを上手くとっていくかが問われる時代です。

かつての古き良き時代のように、「あうん」の呼吸で分かってもらおうなんて無理な話だし、相手が黙って自分に従うなんて神様でない限りありえないことです。部下の態度が良くないと思えば、どんな状況におけるどんな言動が良くないのか、それがいかに会社にとって本人にとって損をすることになるのか切々と説明することが必要です。

部下の立場でお酒に誘われて行きたくないのであれば、なぜなのかを相手の気持ちを考えながらちゃんと断ることが必要です。言いたいことがあるのにそれを言わずに黙っていると、逆に表情などの非言語の部分にそれを表れてしまいます。上司はそれを見逃さない。すると、逆にパワハラを受けやすい状況を作ってしまうのです。

ある大手企業の社長だった男性にパワハラやセクハラについてどう思うかお聞きしてみました。すると、「部下がそれを外部に訴えた時点で自分の社内における成長をストップすることになるんだと分かっているのかな?」とのこと。これもパワハラ防止が弱者保護と感じているための言葉なのかもしれないと感じました。

 どちらにしても、外部に相談する前にちゃんと自分自身を相手に伝えることは、上司であれ、部下であれ、取引先であれ、夫婦間であれ、重要なことです。と同時に、相手が言いたいことをキャッチし理解することも重要です。

 そのために、言語情報である言葉をしっかり使いこなすとともに、言葉以外の情報である非言語情報と言われる表現を使いこなすことが問われる時代なのです。謝罪会見の「申しわけございません」という同じ言語情報でも、どんな表情で、どんな声で、どんな動作で発したのかによって、聞いている方の受け取り方が変わります。謝罪の気持ちがあるかないかを相手は非言語情報から感じ取るのです。

 さらに、どんな服装を着ていたか、ちゃんと身だしなみの整った髪型だったかまでを人々は見て、多くの情報を受け取っているのです。

 セクハラ、パワハラのタブー用語は何かなどと聞かれますが、実はセクハラもパワハラも、「何を言ったか」ではなく、「誰が言ったか」「どう言ったか」という非言語情報による影響の方が大きいことをここで声を大にして言っておきたいと思います。

 あいつも言ってるんだから自分もいいだろうと思った時点で大きな間違い! 気が付けばパワハラ上司として訴えられ、会社を辞めることになってしまった! そんなこともあり得る時代です。

 パワハラ防止を考えることは弱者保護ではなく、自分は強者と思いこんでいる古き良き時代を引きずっている「似非強者」の是正、一方で部下を思う愛すべき熱血上司の保護として必要なのかもしれないと感じる今日このごろです。(唐澤理恵)

 

(引用おわり)

 

記事とは考えが違う部分ですが、パワハラ防止は弱者保護ではなく、弱者を生産しないようにすることが大事なのと、職場環境の悪化を防ぐ観点で取り組まなければならないということです。

そして、パワハラ防止に関して言えば、「どう受け止められたか」を重要視すると、効果が薄れていく傾向があります。問題なのは、その言動が「業務の遂行に必要な範囲内」で「職場環境を悪化させ、効率低下や職場不安、メンタルへの悪影響」を引き起こしていないかと言うことになってくるのではないでしょうか。

 

 

 

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