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事例紹介

権利の主張が「脱社畜」への王道

2014年8月27日

東洋経済オンライン4月18日の記事です。(yahooニュースより)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140418-00035341-toyo-bus_all&p=4

ブラック企業、パワハラに対抗するための、基本的な思考がきちんと示されている

良い記事です。皆さんも是非参考にしてください。

 

 

 

〈引用はじめ)

労働法2014年4月1日。やや遅まきの桜前線の北上に先駆け、この日、全国で一斉に開花したのは、希望に胸を膨らませたビジネス・フレッシュマン&ウーマンたちだ。しかし、そんな彼らを取り込もうと、虎視眈々と狙っているのが「社畜への道」である。サービス残業、消化できない有給休暇、パワハラ&セクハラによる精神的ストレスなどなど……。そんな労働環境であっても違和感を覚えない「社畜」にならないためには、どんな意識が必要なのか。市民派弁護士の雄、宇都宮健児氏と、新著『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)が好評の「脱社畜ブログ」管理人、日野瑛太郎氏に意見を交わしていただいた。※本記事は、ダヴィンチニュースとの共同企画です。ダヴィンチニュースの記事はコチラ。

 

■ 「あたりまえでない」からこそ「あたりまえ」のことが注目される

──「脱社畜ブログ」は月間50万PV、新刊著書『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)も順調に版を重ねているそうですね。管理人・著者である日野さんの率直な感想は?

日野:本やブログの記事を多くの方に読んでいただけていることについては、率直にうれしく感じています。「会社」という閉鎖的な組織の中でしか通用しない独自の価値観を押し付けられて、それで苦しんでいる人が「おかしいのは会社のほうだ」と、僕の本やブログによって気づいてくれたとすれば、これに勝る喜びはありません。

とはいえ、僕の本やブログに書いてあることは、一言で言えば「あたりまえ」のことばかりです。「あたりまえ」のことばかり書いてあるブログや本が、これだけ注目されてしまうということは、それだけ日本人の働き方が「あたりまえでない」という表れでもあると思いますので、その点については素直に喜べないという気持ちも当然あります。

──複雑なところですよね。そこで本日は、日野さんのご出身である東大の先輩にもあたる、弁護士の宇都宮健児さんをお呼びしました。一緒に、法的な観点からも「脱社畜」への道を考えていきましょう。

日野:宇都宮先生は尊敬する大先輩です。

宇都宮:先輩かもしれないけど、卒業していないんだよね(笑)。

日野:いえ、在学中に司法試験に合格されたのですから、すごいですよ。

宇都宮:日野さんも大学院在学中に起業されたんでしょう?

日野:はい、うまくはいきませんでしたが……(苦笑)。

 

■ 多忙な業務に追われる弁護士に「残業代は出る? 」

──では最初に、おふたりが体験した職場の勤務環境を教えてください。

宇都宮:弁護士の場合、独立できるまでは誰かの法律事務所に雇われますね。事務所のオーナー弁護士は「ボス弁」、雇われ弁護士は居候を意味する「イソ弁」などと呼ばれます。私は独立できるまでに13年ほどかかりましたので、「イソ弁時代が長いね」とよく弁護士仲間たちから言われていました(笑)。

労働環境としては、弁護士の場合は、携わる案件によりフレックスな働き方をするというパターンもあれば、定時出勤などのパターンもあり、事務所もしくはボス弁との契約の仕方によってさまざまです。私が最初に勤めた事務所は、時間的な拘束は緩く、その代わり「ちゃんと仕事してね」という感じでしたね。

日野:「ちゃんと仕事をする代わりに時間的な拘束は緩い」というのはフェアだと思いますね。

宇都宮:ただ、弁護士の場合、依頼主をはじめとする訴訟関係者との面談や、書類作成、弁護対策を練る時間など、夕方定時で業務が終わらないことはざらですね。そして残業代が出ないこともざらですよ(笑)。

日野:うーん(笑)。

宇都宮:それでも勤務時間・労働体系をめぐって、雇用者と訴訟トラブルになる、ということは、まあ聞いたことはないですね。まあ、弁護士の場合は、イソ弁であっても事務所の仕事とは別に自分個人の依頼主を抱えるというケースがあり、そうしたオプション収入も見込めるので不満は出ないのかもしれません。

日野:そうですね、独立がほぼ定石の弁護士さんの場合、一般のサラリーマンとはちょっと世界が違うのかもしれません。たとえばサラリーマンでも、外資系コンサル企業に3年勤めて、独立して起業する人なんかもいます。最初から目標を持ち、ある一定期間、勤めた後に独立する。僕はそうした働き方はもちろん「あり」だと思っています。

一方で、僕が大学院時代に起業したのは、もうちょっと消極的な理由からでした(苦笑)。新卒で入社してうまくやっていく自信がなかったので、友人と会社を作って試しにやってみたわけです。大学には少数ですがそういう進路を取る人もいて、社畜にされるぐらいなら自分たちも挑戦してみようかな、と考えたのです。でも残念ながら事業はうまくはいかず、結局、大学院修了後にソフトウェア開発をしている企業へ就職しました。

──ソフトウエア開発会社といえば、サービス残業や徹夜勤務もあたりまえで「社畜量産業界の有力候補? 」との声も聞こえてきますが、日野さんのお勤めになった会社の環境は?

日野:服装は自由でしたが、基本的に朝には出勤してミーティングに出ていました。ソフトウエアの仕事には厳守すべき納期があります。この納期前になると泊まり込みをする人も出てきます。僕は「絶対に泊まり込みはしない」と決めていたので、タクシーを使ってでも帰っていましたが、中には泊まり込みを続けて、ほとんど会社に住んでいるような状態になる人もいましたね。

また、インターネット上で稼働しているソフトウエアを手掛けていましたので、アクセス過多などでトラブルが発生した際の「緊急対応」は、曜日・時間を問わず、よくありました。休日に遊びに出掛けている先でアラートメールを受け取り、真っ青になるようなことも少なくなかったですね。ただ、残業代はしっかりと支給してくれる会社でした。

宇都宮:会社というのは、社員に残業をさせたら「残業代を払う」、これは本来、あたりまえのことなんですけどね。労働基準法で定められた法定労働時間は1日8時間で、週に40時間です。就業規則や雇用契約で決められた社員の所定労働時間が1日7時間、1週間35時間だったとしましょう。この社員がある日10時間働いて3時間残業した場合、残業時間のうちの1時間に関しては、法定内残業なので割増賃金はもらえません。残りの残業2時間に関しては、法定外残業となるので、割増賃金をもらえることになります。

 

■ ブラック企業の社畜になりやすい「仕事観」

──では次に、ダヴィンチNEWSが調査した20~30代男女アンケート結果(有効回答数560名)を基に、話を進めていきましょう。下のグラフは「仕事観」に関するアンケート結果です。

日野:この「仕事観」として書かれている項目は、僕が新著の中で、「社畜になりやすい人が抱いている仕事観」として列挙したものです。これらの仕事観を抱いているからといって直ちに社畜にされてしまうというわけではありませんが、こういう仕事観を「あたりまえ」だと思っている人は、少し注意したほうがいいでしょう。疑う気持ちを持たないと、社畜にされてしまっても、そのこと自体に気がつかないということになりかねません。

宇都宮:「社畜」という言葉は初めて聞くわけではないのですが、日野さんなりの定義は?

日野:著書の中では「社畜=会社と自分を切り離せない会社員」と、僕なりに定義しています。

宇都宮:なるほど。その「社畜」の定義に収まるかはわかりませんが、この前、ブラック企業に勤めていた男性社員の話を聞く機会があったんですよ。そうしたら「僕は毎日、パワハラを受けています」とおっしゃった。そこで、その内容をさらに聞いて驚いたんですが、要は毎日、殴られているとのことでした。もはや暴行罪・傷害罪という犯罪の域に入っていまして、異常な状況ですね。

日野:それは恐ろしいですね。暴力とは違いますが、僕は「やりがい」という言葉にもかなり危機感を持っています。劣悪な労働環境だとわかっていながらも「やりがいが大事なんだ」と、自分を納得させようとしている人は多いのではないかなと。本来、「やりがい」と労働環境はトレードオフではないはずなんですが、なぜか日本には「やりがいのある仕事につけるなら、多少の労働環境の悪さは目をつぶる」という考えの人が少なくありません。その辺のことは著書でも詳しく書いています。

宇都宮:私も弁護士業務にはやりがいを感じていますので、気持ちはわかりますが、だからと言って会社が行う不当な行為を許してはいけませんね。

そして会社というのは、個人の快適さだけでなく、全員の心地よさが大切です。ひとりだけでやりがいを振りかざしていても、全員にとっていい職場にはならない危険性もありますね。

 

■ もし弁護士さんに相談できるなら、聞きたいこと

──このアンケートでは、「弁護士さんに相談できるなら、何を聞きたいか」という項目もありました。いちばん多かったキーワードは、「パワハラ」「セクハラ」という言葉でした。

宇都宮:「パワハラ」「セクハラ」に関しては、先ほどの暴力行為などは刑事事件になる可能性もありますので、「日本労働弁護団」や各地の弁護士会の法律相談センターなどに相談するべきですね。 社内だけで上司への直訴とか調整で何とかしようと考えても、自分の立場が悪くなるだけという可能性もありますので、法的手段に訴えるのがいいと思います。

自分の権利を守るために、労働基準監督署、都道府県の労働相談所(名称は各自治体で異なる)、首都圏ユニオンなどの労働組合、とにかく使える機関はどんどん積極的に使っていく。ひとりで悩まずに、専門家に相談をする。それが脱社畜への道につながると思います。

日野:残業したのに、タイムカードに記録が残らないように押させない、という話も聞いたことがありますね。

宇都宮:逆に、いったん帰宅のタイムカードを押させられて、その後、サービス残業させられている人もいます。いずれのケースももちろん違法です。こういう行為は泣き寝入りせず、自分で勤務時間のメモを取っておくなりして、駆け込み寺的な場所で相談し、問題を表面化させなければなくなりませんね。

日野:そうですね、まさしく「権利の主張」が、脱社畜への道の重要なキーワードだと思います。よく会社では「権利ばかり主張するな」と、新人などは上司から怒られます。権利ばかり主張するやつは一人前の社会人ではない、と。しかし本来は逆で、「自分の権利を把握し、適切に主張する」ことは、とても大事な社会人としての心得なのだろうと考えています。

もうひとつは「会社とは契約しているのだ」、という意識もしっかりと持ってほしいと思いますね。著書では「会社は取引先」と書いています。つまり、「会社と社員は対等な関係にある」ということです。これがないと、会社に雇ってもらっている、という意識ばかりに引っ張られて、気がつくと「社畜」になっていた、ということになりかねないと思います。

(引用終わり)

 

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