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事例紹介

派遣先におけるパワハラの判例を読んで。

2014年7月24日

昨年の秋に大阪高裁で出た判例を読んだ。 

派遣先の上司が派遣社員に対して、ひっきりなしに、「殺す」とか、派遣社員の所有者に危害を加えるような言説を行ったり、仮病の疑いをかけたりするなどのパワハラを行っていた事例で、一審は慰謝料80万+弁護士費用8万だったのに対し、高裁は慰謝料33万円の判決となった。

 

高裁では慰謝料が減額されたが、ただこれはあくまでも金額の問題であって、違法性のあるパワハラに対する判断は厳しくなっているのをかんじた。

 

特に、派遣社員が派遣先の監督者から受けるハラスメントに関して、明確な判断が出たのは大きい。

 

 

一審判決では、派遣先の監督者に関して、「特に、派遣労働者という、直接的な雇用関係がなく、派遣先の上司からの発言に対して、容易に反論することは困難であり、弱い立場にあるものに対しては、その立場、関係から生じかねない誤解を受けないよう、安易でうかつな言動を慎むべき」と例示し、

 

二審判決も「監督者が監督を受けるものを叱責し、あるいは指示等を行う際には、労務遂行の適切さを記する目的において適切な言辞を選んでしなければいけないのは当然の注意義務」と示しているように、派遣先においては、派遣社員に対して、適切な言辞等での指導監督をすべきであることを明示している。

しかも、二審では、

「Fら(注:加害者)が正社員で、被控訴人(注:被害者)が派遣社員であることも手伝って、両者の関係は基本的に反論を許さない支配・被支配の関係となっていたということができるのであって、・・・・(中略)・・・・一方的な優位な人間関係を前提に、被控訴人の上記のような性格(注:一般的な『性格』ではなく、派遣社員という立場のことを指す)を有する人物に対する言辞としては、社会通念上著しく相当性を欠き、パワーハラスメントと評価することができると言わざるを得ない。」

 

と、はっきりとパワーハラスメントである!と認めているのです!

 

 

実は、裁判所が判決文の中で「パワーハラスメント」と言う言葉を使うのは、ごく稀です。

しかも、私が知っている限り、高裁では、初めてのケースです。

 

しかも、派遣という状況の中での派遣先と派遣社員の関係を明確にし、派遣先社員の言動に関して、メスを入れた貴重な判決だと思います。

 

 

 

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