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事例紹介・お知らせ

始業前出勤 強制か心掛けか 「出勤遅延未遂」責められた駅員が自殺

2014年3月2日

2013年4月中日新聞 東京新聞 「はたらく」欄より

http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2013040502000144.html

(引用はじめ)

<はたらく>始業前出勤 強制か心掛けか 「出勤遅延未遂」責められた駅員が自殺

「朝活」ブームで、早朝から一日のスタートを切る人も多い。だが、それが仕事絡みで上司の指示に基づくなら、時間外労働として扱われ、労働基準法の制約を受けるのが筋だ。始業前出勤はあくまで自主的な心掛けか、それとも事実上の強制か。はざまで苦しんだ駅員だった男性のケースを追った。 (三浦耕喜)

 今年一月十七日。滋賀県内の山林で、二十一歳の男性が自ら命を絶った姿で見つかった。男性はJR東海に入社して二年。駅員だった男性は寮から姿を消し、家族や友人が行方を捜していたのだ。

 家族が上司から聞いた説明で、経緯が浮かび上がってきた。男性は以前、始業時間に遅刻したことから、定時より一時間前に出勤するよう「奨励」されていたのだ。

 失踪する数日前、男性は定時の二十分前に出勤した。だが上司は、一時間前に出勤しなかったことを理由に、「出勤遅延未遂」と指摘。理由を明らかにするように、プライベートを含めて、前日からの行動記録を提出するよう求めた。

 その提出期限は男性の休日だったが、職場に来て提出するよう約束させた。しかし、男性は期限に現れず、行方が分からなくなった。

 以前に遅刻した際、男性は一週間にわたって勤務を外され、「反省」を迫られる経験をしている。失踪の前日、近所のホームセンターで男性はロープを買っていたことが、見つかったレシートで分かった。男性の父親(55)は「息子が遭ったのは明らかないじめであり、パワハラだ。遅刻未遂とは、遅刻していない意味のはず。なぜ自殺に追い込まれるまで責められなければならなかったのか。会社は明らかにするべきだ」と話す。

     ◇

 始業前に余裕を持って出勤するのは、一般的には仕事をスムーズに運ぶ上で良いこととされる。だが仕事に密接に関わることは本来、労働時間に含まれる。例えば制服や作業着に着替える時間。これを争った大手造船会社の勤務をめぐる裁判では二〇〇〇年三月、着替え時間も労働時間に含まれると最高裁が判断した。

 判断の基準は「労働者の行為が、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できるか否か」だ。朝礼や打ち合わせなど、上司が仕事の方針や手順を示し、それに参加しないと仕事上、本人の不利益になる場合は「指揮命令下」に当てはまる。

 では、始業前に有志で勉強会を開く「朝活」はどうか。その場合、本人の自由意思で参加している限り、労働時間には入らない。だが、その「朝活」を上司が奨励し、昇進や給与、待遇を判断する材料となる場合は、「指揮命令下」である疑いは濃くなる。

 会社側が始業前出勤を労働時間と見なさない以上、始業前に出勤しないことを理由に本人の責任を問うことは本来できない。自殺した男性のケースでは、一時間前の出勤「奨励」が事実上、上司の指示に基づく強制だったのかどうか、あくまで「奨励」なら、上司が遅刻の「未遂」をただしたことが正当だったのかどうか、が問題となる。

 労働法制に詳しい労働弁護団の鵜飼良昭会長は「時間厳守と言いながら、働く者の時間を守っていないのは会社側だ。大幅な定時前出勤を奨励すること自体、法の精神に反している」と指摘する。

 男性の自殺について、JR東海広報部は本紙の取材に対し「当社と遺族との関係なので、コメントはしません」としている。

(引用終わり)

おそらく、この上司は、「反省を促すためで、業務の範囲内」というでしょう。しかし、行き過ぎた勤務外しや、プライベートの公開、などは厚生労働省が言うパワハラの行動類型のうちの、「過大な要求」(参考はこちらhttp://ameblo.jp/syokuba-kankyou-kaizen-k/entry-11499145442.html )にあたると思われます。

ただ、この上司の行為だけが、自殺の原因とは考えにくい部分もあります。パワハラが関わる自殺には、プライベートでの要因が絡むこともあります。したがって、自殺の原因がすべて、この上司の行為に帰結するとは断言できないのです。

しかし、プライベートにおいて、何らかの抑圧があった場合、それをさらけ出す事は、自己否定につながり、死しか見えなくなる、ということは十分に考えられます。ということは、上司の行為が自殺の誘因になった可能性は否定できません。

この記事は、上司の行為が「指揮命令下」で行われたかどうかを問題にしているようですが、私の視点は違います。

強制性があろうとなかろうと、上司の行為が何らかの抑圧を伴い、自殺を誘引したことに問題があるように思います。 直接の因果関係が認められなくても、職場としては問題意識をもって、パワハラ対策に乗り出さなくてはならないと思います。

労働調査会、『もう困らない!職場のパワハラの傾向と対策』 を発行

2014年3月2日

2013年4月ブログから

 

このたび、労働調査会というところから、パワハラに関する本が出たとのことです。

ソースはここです。

http://jinjibu.jp/news/detl/7261/

(引用はじめ)

「え?これもパワハラ?」 あなたももしかして、気付かぬうちにパワハラをしているかもしれません。 専門家の視点から解説したパワハラハンドブックができました!

このたび株式会社労働調査会(代表取締役・藤澤 直明)は、『もう困らない!職場のパワハラの傾向と対策』を2013年3月14日に発行いたしました。

【著者】 中村雅和(特定社会保険労務士:中村雅和社会保険労務士事務所所長) 中辻めぐみ(社会保険労務士、産業カウンセラー:中村雅和社会保険労務士事務所副所長) 片山雅也(弁護士:弁護士法人アヴァンセ リーガルグループ執行役員) 高野知樹(精神科専門医、労働衛生コンサルタント:医療法人社団弘冨会神田東クリニック院長)

【仕様】 判型:A5判 表紙4色+本文2色P40

■要約 近年、職場のパワハラの問題が顕在化され、企業は対策が求められています。また、昨年「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」の報告によって、職場のパワーハラスメントの定義づけがされました。

それを受けて本書は、社労士、弁護士、精神科医というそれぞれの専門家の立場から、わかりやすくパワハラの傾向と対策を書いていただきました。定義から何がパワハラなのかを解説し、パワハラが引き起こすさまざまな問題、予防対策を検討しました。パワハラの事例をもとにケーススタディも収録。パワハラってなに?という方でも、わかりやすいイラストを交えた一冊!

(引用おわり)

 

パワハラ対策の本は多く出回っていますし、対策を練られるなら、本を通読して参考にするのもいいでしょう。

その中で、どの本が一番いいのか、参考にされることもいいことだと思います。

 

また、パワハラの実態についてお知りになられたいなら、拙著の「パワハラ地獄敢闘記」(日本評論社)がお勧めです。

パワハラ地獄敢闘記

 この本は、私こと、原田芳裕の実際のパワハラ体験を、裁判所に証拠として提出した録音、文書をベースにして、事件の発生から終わりまで、克明に綴った本でリアルなパワハラ現場を知ることができる貴重な本です。(ここをクリックすると、新聞での書評記事にいきます)

老舗食品会社の部門長が部下に暴力、大けが

2014年2月27日

 

2013年4月 毎日新聞の記事から

http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20130404ddlk28040424000c.html

(引用はじめ)

海苔の佃煮「アラ!」などロングセラー商品で知られる老舗食品会社「ブンセン」(本社・たつの市)で3月、部門長が業務中に暴力を振るい、社員が胸の骨を折るなどの大けがをしていたことが分かった。

たつの署によると、社員から3月26日、傷害を受けたとして被害相談があった。発生は同5日。現在、被害届はまだ受理していないとしている。

同社では、事実関係を認めた上で、加害、被害両者とも男性従業員とし、発生を同5日午後4時前とした。この上で「業務指導上の出来事」との見方を示した。被害を受けた社員は、けがのため休業中という。

毎日新聞の取材に、社内調査を担当している総務部長は「誠にお恥ずかしい。社内規則上も暴力は当然許されず、パワハラ防止研修の強化を検討中です」と説明している

(引用終わり)

記事だけでは、なんとも言えませんが、加害者の方に懲戒処分は行われたのでしょうか。処分が無い上で、ただパワハラ防止研修の強化を検討するのであれば、社員の方の不信感が膨れ上がるのではないでしょうか。「社内規則上も暴力は当然許されず・・・」と述べていますので、これから処分が行われるとは思いますが・・・・

 

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IT業界のメンタルヘルスの実態

2014年2月27日

[メンタルヘルス不調者の7割が上司や人事に相談できず、主要因はマネジャーの力不足やパワハラ]

というタイトルの記事がありました。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130402/468061/?top_tl1

長い記事ですが、引用いたします。

 

(引用はじめ)

メンタルヘルス不調という「心の病」は、IT業界が抱える、解決の糸口が見えない根深い問題──。そうした厳しい現実を改めて浮き彫りにするアンケート結果が出た。この問題から目を背けないためにも、結果をきちんと検証したい。

今回の「ITpro会員100万人に聞く!ICT大調査」ではメンタルヘルスについて質問した。すると1週間のアンケート期間中に、これまでで最大の583人から有効回答を得た。メンタルヘルス問題に対する関心の高さがうかがえる。回答者の約60%が40~50代であり、中間管理職(ミドル)層の問題意識が高いのも特徴だ。

最初に結果を要約すると、こうなる。

「回答者の約40%がメンタルヘルスに不調を感じ、多くの人は5年以上も前から慢性的に苦しみ続けている。だが不調を感じる人の約70%は、上司や人事部門に相談できず、悩みを抱え込んでしまったまま。メンタルヘルス不調の主たる要因には『マネジャーの能力不足やパワハラ』『職場のコミュニケーション不足』を挙げる人が多かった」

私はこのなかでも「約70%は上司や人事部門に相談できずにいる」という苦しい現実と、メンタルヘルスの不調は「5年以上前から続いている」という問題の長期化と放置に、大きな課題を感じた。これは、IT業界が従業員のメンタルヘルス問題の解決を先送りにしてきた結果にほかならない。

ITproは2000年のスタート以来、何度もメンタルヘルス問題を取り上げてきた(関連記事:専門家がこっそり教える「メンタルヘルス対策」のキーワード)。だが13年前よりも、今の状況はむしろ悪化していると考えた方がいいだろう。

「不景気」が問題の本質ではないのは明らか

では、6つの問いの結果を順に見ていこう。

最初のQ1は、あなたはメンタルヘルスに不調を感じますか(図1)。「はい」と答えたのは、39%の230人である。メンタルヘルス問題に関心がある人が回答しているというのもあるが、それにしても約4割がメンタルヘルス不調というのは見過ごせない数値の高さである。

図1●Q1.あなたは自分のメンタルヘルスに不調を感じますか。
図1●Q1.あなたは自分のメンタルヘルスに不調を感じますか。

メンタルヘルス不調を感じる人(Q1で「はい」と回答した人)が、いつ頃から不調を感じるかを聞いたのがQ2だ(図2)。すると半数の116人が「5年以上前から」と答えた。問題が長きにわたっていることが分かる。

図2●Q2.Q1で「はい」と答えた方にお伺いします。いつ頃から不調を感じるようになりましたか。
図2●Q2.Q1で「はい」と答えた方にお伺いします。いつ頃から不調を感じるようになりましたか。

リーマンショック後の不景気がIT業界のメンタルヘルス問題に大きく影響しているのかを確認するため、「3年前(リーマンショック後)」という選択肢も用意したが、5年以上前からの回答が2倍以上も多かった。

後ほど紹介する図6で、メンタルヘルス問題に影響を与えていると考えられるものを複数回答で選択してもらっているが、「不景気」という外的要因はトップ5には入っていない。それよりも、職場の内的要因を理由に挙げる人が、圧倒的に多い。

そして、大きな問題は次のQ3だ。メンタルヘルス不調を感じる人(Q1で「はい」と回答した人)が、上司や人事部門に相談を持ちかけたり、不調を訴えたりしたか(図3)。何と68%の165人が「いいえ」と回答した。

図3●Q3.同じくQ1で「はい」と答えた方にお伺いします。上司や人事部門などに相談を持ちかけたり、不調を訴えたりしましたか。
図3●Q3.同じくQ1で「はい」と答えた方にお伺いします。上司や人事部門などに相談を持ちかけたり、不調を訴えたりしましたか。

これだけメンタルヘルス問題がクローズアップされるようになった現在でも、会社に相談できずに悩み苦しむ人が多いのが実情なのである。

メンタルヘルス問題の難しさは、ここにある。とにかく、言い出しにくい。長期化する理由の1つは、ここにあるだろう。

「メンタルヘルス不調を会社に申し出れば、評価が下がって、現状通りの職場復帰は不可能なのが実情だ」(50代、男性、ユーザー企業)という声も寄せられていた。

メンタルヘルス問題に向き合う会社は「半分程度」

ここで目先を変えて、全ての回答者に「あなたの周りにメンタルヘルスの不調と思われる従業員はいますか」と聞いたのがQ4だ(図4)。すると、69%の400人が「はい」と答えている。つまり、メンタルヘルス不調はほとんどの会社で、決して珍しいものではない。

図4●Q4.あなたの周りには、メンタルヘルスの不調と思われる従業員はいますか。
図4●Q4.あなたの周りには、メンタルヘルスの不調と思われる従業員はいますか。
にもかかわらず、「会社はメンタルヘルス問題に真剣に取り組んでいると思うか」という問いの答えは、こうだ(図5)。ちょうど半数ずつ、「はい」と「いいえ」に分かれた。

図5●Q5.あなたの会社は従業員のメンタルヘルス問題に対し、真剣に取り組もうとしていると思いますか。
図5●Q5.あなたの会社は従業員のメンタルヘルス問題に対し、真剣に取り組もうとしていると思いますか。

「いいえ」と答えた人の会社では当然ながら、周囲に相談しにくいだろうし、問題は長期化する。この割合をそのままIT業界全体に当てはめるのは無理があるにしても、半数近い会社でメンタルヘルスに対する社内体制の整備が遅れているのかもしれない。

「メンタルヘルス不調者に『頑張れ』とは言えないし、現場での対応は難しい。気軽に相談できる専門医や窓口などの体制整備が必須」(50代、男性、SI/コンサルティング)といった声が聞かれる一方、「当社にもメンタルヘルス不調による長期休職者が複数いたが、復職プログラムの整備で随分と改善した」(50代、男性、その他)という制度改善の効用も報告されている。

最後に複数回答で、メンタルヘルス問題に影響を与えていると思われる項目を選んでもらった(図6)。上位の5つは「マネジャーの能力不足やパワハラ」「職場のコミュニケーション不足」「人手不足」「長時間残業」「人事制度の不具合」となる。先述した通り、「不景気」は7番目にすぎない。

図6●Q6.メンタルヘルス問題に影響を与えていると思われるものはどれですか。当てはまるものを選択してください(複数回答可)。
図6●Q6.メンタルヘルス問題に影響を与えていると思われるものはどれですか。当てはまるものを選択してください(複数回答可)。

それよりも、IT業界で働く管理職のマネジメント能力や従業員同士のコミュニケーション、そしてIT業界が抱える人手不足や長時間残業という構造的な問題が、従業員の心に重くのしかかっていることが分かる。

「メンタルヘルス問題は再発性が高いのが特徴。特に職場復帰後の受け入れ体制について、管理職への教育が必要だと考えられる」(40代、男性、その他)という意見もある。

組織風土や文化、人事制度も、IT業界が改善すべき喫緊の課題だろう(関連記事:971人の回答から見えたIT業界の悲しい組織風土の現実、半数が「同僚のことをよく知らない」)。

最後に1つ、私がこれまでメンタルヘルス問題を取材してきたなかで感じてきたことを追記しておく。影響を与えている項目の最後に「家庭やプライベートの問題」という選択肢を加えたのは、メンタルヘルス問題は「プライベートと仕事の複合要因」で発症するケースが多々あるということからだ。

メンタルヘルス問題に前向きに取り組む企業ほど、会社が設ける相談窓口では「プライベートな悩みまで含めた自由な相談」を受け付けていることが多い。未婚者なら恋愛の悩み、既婚者なら家庭や夫婦、子供、親の問題など。これらの問題に加えて、職場でも人間関係などに苦しむようになると、ある日突然、心が折れる時があるようだ。

メンタルヘルス問題に限っては、必ずしもプライベートと仕事を分けて考えることはないのかもしれない。

自由意見にも様々な声が集まった。回答者の生の声を最後にまとめておく。参考にしてほしい。

様々な原因で、顧客と会社の板挟み状態に陥ることがある。その状態を敏感に察知し、手を差し伸べることができる上司や同僚が少ない。その結果、ストレスで押しつぶされてメンタルヘルス不調に陥ることが多いのではないか。商習慣的な側面もあると思う。(60代以上、男性、ユーザー企業)
形式的なメンタルヘルスへの対応研修は実施されているが、具体的な方法や改善策が示されない。現場任せになっている。(50代、男性、IT関連ハード/ソフトのメーカー/ベンダー)
最近、周りに中間管理職でのメンタルヘルス不調の人が多い。人手不足のため、中間管理職に負担がかかっていると思う。(40代、男性、SI/コンサルティング)
ソフトウエア開発はお互いの開発内容が異なり、パソコンに向かう作業も多いため、コミュニケーションが取りづらいことが多い。人と人とのコミュニケーションとなる潤滑剤が必要だと思う。(60代以上、男性、SI/コンサルティング)
残業が当たり前という気風がある。効率よく仕事をこなして定時に帰ると、暇と見られたりするのがその最たる例。非常にやる気が削がれるので、何とかしてほしい。コスト的にもおかしいはずなのに、効率が悪くても、長時間働いている人がよいと見なされるなんておかしすぎる。(30代、男性、SI/コンサルティング)
IT業界では顧客企業の理解が必要だが、ほとんど考慮されることはない。(50代、男性、SI/コンサルティング)
IT関連業務は機械的な作業が連続するなど、精神的に追い詰められやすい。適度な休憩や休暇をうまく活用して気分のリフレッシュをするように私は努めているが、それも上司の理解があって初めて成り立つことだと思う。上司との信頼関係や理解を得られるような関係または制度が求められる。(40代、男性、ユーザー企業)
私も一時期、自律神経失調症になりかけた。相談できる窓口が必要だと思う。その窓口が、会社と完全に独立していることが重要だと感じる。(30代、女性、SI/コンサルティング)
ICTが日常業務の随所に組み入れられた結果、システムの複雑化や障害発生時の影響度合いが大きくなり、止められないシステムがほとんどになっている。システム保守などは日中に行うことができず、夜間・早朝の対応が当たり前。障害への対応も常に緊急事項となり、昼夜を問わずに対応を迫られる。これらに携わるシステム部員の精神的なストレスは年々高くなっている。(50代、男性、ユーザー企業)
客先への常駐エンジニアに、メンタルヘルス不調者が多い。職場でのサポート不足や常駐先の環境などに対する法律があってもいい気がする。(30代、男性、SI/コンサルティング)
(引用おわり)

 

 

IT業界に関する記事ですので、特有の事由があると思いますが、長時間の沈黙と、パソコンとのにらめっこ、その上長時間残業に上司のマネジメント不足とパワハラ・・・・・ この中でも私が注目したのは、「コミュニケーション不足」です。

私は、前回、パワハラが起こっている職場は挨拶が無い、と言いました。

挨拶が無いということは、すなわちコミュニケーションが欠如している、ということです。

会話は、人の心を支える大事なものです、コミュニケーションの核、といっても良いかもしれません。

何気ない話をする、何気ない話ができる環境を作る、というのは、明るい職場作りには欠かせないものだと思います。

業務上、沈黙が長く続くのは、IT業界、特にシステムエンジニアの宿命かもしれません。しかし、長時間の沈黙は、心が膿み、いびつになる要素があるということだと思います。

私はメンタルヘルスの専門家ではないので、感じたことを述べているだけですが、日々パワハラに対処する立場から見ても、コミュニケーション不足が、上司のパワハラにつながっているような気がしますし、マネージメント能力の育成に大きな阻害になっているような気がしています。

解雇の金銭解決はパワハラ手法を発達させるのでは?

2014年2月27日

2013年3月 日本経済新聞の記事より

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS02048_S3A400C1PP8000/

(引用はじめ)

安倍晋三首相は2日の衆院予算委員会で、企業が解雇した従業員にお金を払う解雇の金銭解決について「(判決で)解雇無効となった場合、事後的に金銭を支払い労働契約解消を申し立てる制度は(金銭解雇の範囲に)含めていない」と述べ、検討対象とする考えを示した。先月28日の同委で「金銭で解決していく考えはない」とした自身の答弁を修正した。

 解雇の金銭解決は6月の成長戦略に規制緩和策として盛り込むかが焦点となっている。

 事前に一定金額を支払えば企業が労働者を解雇できる制度を持つ国は主要国にはない。首相は28日の答弁で否定したのはこの事前型の金銭解決だったと説明。解雇を無効とする判決が出た後の事後的な金銭解決は「さまざまな視点を踏まえて検討していく」と述べた。

 産業競争力会議の民間議員である経済同友会の長谷川閑史代表幹事は同日の定例会見で、解雇の金銭解決ルールに関し、「今の段階では優先順位が高いわけではない。将来考えてもいいと話しただけだ」と弁明した。15日の同会議で、事後的な金銭解決など解雇手続きを労働契約法で明確に規定することを求めた自らの発言を軌道修正した。

(引用終わり)

パワハラ 会社で社員を辞めさせたいという使用者側の心情から、パワハラが始まるケースがあります。

日本は解雇規制が厳しいために、是が非でも、自分から退職させようとして使用者がパワーハラスメントまがいの行為をすることがあります。いわゆる退職強要です。

私は、解雇規制を緩和させることは無理だろう、と思っていました。なぜなら、この規制は立法による規制ではなく、司法判断による規制だからです。

ですが、この記事の案は、現実性があると感じています。解雇規制を維持しつつ、さらに金銭リスクを企業に負わせるからです。ですが、これはアベノミクスの考えには沿わないような気がします。

また、企業の解雇リスクが増えるようであれば、さらに陰湿な退職強要技術が発達しかねません。

つまり、新たなパワハラ手法がでてくるのではないか、と懸念されます。

 

 

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東京新聞の社説から

2014年2月27日

2013年4月東京新聞の社説から

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013040102000129.html

 

 

(引用はじめ)

昨年の自殺者は十五年ぶりに三万人を切った。とはいえ、二万七千八百五十八人は交通事故死者の六倍に余る多さだ。生きる支えを手厚くし、もっと希望を見いだせる社会に変えていかねば。

 名誉を守る。責任を取る。借金を返す…。その究極の手段として自殺は自ら進んで選ぶ道と思われてきた。そうではなく、社会的に追い込まれ、強いられる悲劇だ。

 自殺の多くは社会のひずみが生み出す。だから適切な援助があればきっと防ぐことができる。二〇〇六年に自殺対策基本法ができ、そんな意識が広く根づいてきたのは大きな成果だ。

 だが、楽観論は戒めたい。一日に平均七十人余が自殺する現実はやはり厳しい。日本の自殺率は米国の二倍を、英国やイタリアの三倍を上回り、主要国でトップだ。

 自殺対策支援のNPO法人ライフリンクが公表した自殺実態白書には、貴重な教訓が収められている。遺族五百二十三人への聞き取り調査が土台となっている。

 自殺の背景には七十近い要因が潜んでいた。うつ病、失業や負債、過労、職場の人間関係、家族の不和、いじめ…。自殺者は平均四つの要因に苦しんでいた。

 意外なのは、七割の人は命を絶つ前にどこかの専門機関に相談していたことだ。なのに、なぜ自殺を食い止められなかったのか。

 役所の縦割り構造に似て、異分野の専門家が連携していない問題が浮かんだ。例えば、精神科医は患者が抱えている職場や家庭、金銭などの悩みに気づきながら労働や福祉、法律といった専門家に橋渡しするという発想に乏しい。

 東京都足立区は多分野の専門機関のネットワークを充実させている。相談に訪れた人の情報をカルテ式の「『つなぐ』シート」に記録し、区役所と専門機関で共有する仕組みは参考にしたい。

 心配なのは二十代だ。国の統計では自殺者が初めて三万人を突破した一九九八年に比べ、自殺率は二割も高い。就職失敗による自殺は五年前の二・五倍に及んだ。

 ライフリンクが最近実施した就職活動中の学生百二十一人の調査で浮かんだのは、日本の社会に対する不信感だ。

 いざという時に何もしてくれない。やり直しが利かない。正直者がバカを見る。あまり希望を持てない。六割前後の人がそんな冷たい社会像を抱いていた。

 新卒一括採用のような一発勝負の社会はやめて、いつでも学び直し、働き直せる社会にしたい。

(引用おわり)

自殺とパワハラは切っても切れない関係です。パワハラが自殺を引き起こしているケースというのもあるからです。自殺の要因としても、職場の人間関係が上げられていますが、要はパワハラのことを指しています。

自殺数の多さが、社会のひずみの結果というなら、パワハラは職場のひずみの結果です。職場は社会の一要素ですから、パワハラの多さが自殺数の多さにも繋がっていると私は推論します。

つまり、パワハラは、人の人生さえ奪いかねないということです。

自殺数が減ったと喜んではいけません。実際に、自殺の実数は判らないともいわれています。なぜなら、遺族が自殺であることを嫌い、自殺として処理されないケースなどがあるからです。ですから、実際の自殺数は、公表数の2倍から2.5倍ぐらいとも言われています。ですから、実際は自殺数が増えている可能性もあるのです。

ということは、実際には社会のひずみは大きくなっている可能性もあります。

私たちは注意深く見ていく必要があります。

パワハラ対策としてメンタルクリニックに行くことは・・・・・。

2014年2月27日

今日は、個人の方へのアドバイスとして思っていることをつらつらと・・・・・・

パワハラに遭うと、どうしても逃げ出したくなりますよね。

私は、一般の方にパワハラサポートをする場合、逃げることをお勧めしません。

要は、・仕事をやめること ・仕事をサボること (・メンタルヘルスに行くこと)、です。

職場で働いている以上、従業員には職場環境を良くしていく努力をする義務があると私は考えています。

ですが、よくあるのが、「パワハラを受けてるのだから、仕事なんかしなくていい。私が仕事をしないのも、全部上司の責任だ」というものです。

私は、こういう方は、サポートしません。仕事をキチンとこなした上で、堂々とパワハラ改善を要求することが私のパワハラ対策サポートの基本です。

職場にいる以上、パワハラに対して毅然と改善を要求するのは、当然のことです。

自分の職場だからこそ、良くしていくんだ!という気概をもち、行動していくことはとても大事なのです。

ですが、精神的な部分での問題があります。パワハラを受け続けると、どうしても心にダメージを負います。メンタルヘルスやクリニックにいく事も余儀なくさせられることがあるでしょう。

ですが、私が、括弧書きでメンタルヘルスに行くことを、逃げることとしたのは、いくつか理由があります。

一つは、精神疾患の診断が下ったことを理由として、逃げの理由に使おうとする人がいることです。その場が逃げれる正当性が欲しいばかりに、メンタルヘルスに行こうとする人がいることです。

もう一つは、一度診断が下った場合の心の回復は、遅くなる傾向があるのではないか?ということです。これは私が見てきた中での考えですが、精神疾患であると診断された人は、その診断を機に大きく心が崩れていき、かえって心の回復が遅れているような気がします。メンタルヘルスに行くことを勧めるのは、「心に回復不可能なほどの大きな傷をもらってきなさい」と進言している気がするのです。

とはいえ、心の病があるのに、メンタルヘルスに行くな!とは言えません。ですから、あえて私から進んで、メンタルヘルスに行くことは勧めませんが、止めもしない、といったところでしょうか。

私はパワハラを受けていたとき、おそらく何らかの精神疾患になっていたと思いますが、あえて病院にはいきませんでした。周りの同僚からも、明らかに私の様子がおかしいから、ということで、病院に行くことも勧められましたが、私は拒否しました。なぜなら、私はパワハラと闘っている以上、精神的に崩れるわけにはいかない!この心が潰されても闘わなければいけない!だから、自分に精神疾患の病名をつけるわけには、いかないのだ!と思ったからです。

また、同僚に強く「おまえ、病気だぞ、病院行けよ!」と言われた時、心が挫けそうになったのを今でもはっきりと覚えています。あのときの同僚の言葉がまるで悪魔のように私を廃人へと追いこんでいく感覚は、忘れられません。おそらく、私が友人の言葉をそのまま聞いて、メンタルクリニック行ってなんかの病名を貰っていれば、そのまま廃人になっていたかもしれませんし、今もメンタルの病気を抱えたままだったかもしれません。

この経験から、パワハラを受けている方にメンタルクリニックに行くことを勧めるのは、廃人を作り出すのではないか?という恐怖が私にはあり、躊躇います。それに、単に正当性が欲しいだけの人が、診断書を貰った途端、大きく崩れてしまったのも何人か見ました。

ただ、絶対にメンタルヘルスに行かせない!というわけにもいきません。 心に大きく傷を与えないようなメンタルクリニックへのお勧めを、模索中です。

 

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パワハラが起こっている現場は挨拶が無い。

2014年2月25日

無視ここには、私が感じていることをまず述べます。

企業がパワハラ問題と直面したとき、

考えていけないのは、パワハラ行為の有無の調査です。

えっ?と思うかもしれませんが、パワハラは企業には見えない形で行われている場合が多く、加害者はパワハラ事実を認めないし、周りもパワハラの事実を見て見ぬ振りして証言しないからです。

また、企業の経営者がパワハラ行為に加担しているケースもあります。ですから、企業独自の調査ではパワハラは浮き彫りにできない、というのが私の考えです。第三者性が無いのです。

とはいっても、パワハラは企業にとって死活問題です。場合によっては大きな出費となりリスクを背負いますし、企業活動の妨げにもなってしまいます。

パワハラと向き合うことは企業にとっても、非常に重要です。

ですが、法に通じている弁護士さんや社労士さんと相談して、対策を練っても、抜本的な対策にいたるのは、難しいでしょう。なぜなら、実際のパワハラ現場にいるわけでもないうえに、法の枠組みの対応は単なる「線引き」にしかならないからです。

私は何がパワハラで何がパワハラにならないか、という考えに基づいた対策はほとんど効果が無いと考えています。

最近、職場環境の悪化が見られた、という理由で厳しい処分を行うところも出て来ました。

要は、職場環境が悪化しているかどうかという視点から見るのです。

そこで意外と思われる重要なポイントがあります。

それは朝の挨拶です。

そう、「おはようございます」という挨拶がきちんと職場内で行われているかどうかです。

加害者というのは、この挨拶をしていないことが多いのです。

通常のパワハラ対策では、まったく俎上に上がってこない、この挨拶が、パワハラのバロメーターとしてとても重要なのです。

私の場合も、加害した上司は挨拶をしませんでした。

私が知ってる事例でも、加害者が挨拶がしてこない、挨拶をしても返事をしない、という例が多いのです。

ですから、身近なパワハラ対策として、挨拶徹底月間というのも、アリですし、 紛争が起こった場合に、挨拶の有無から調査をしていくということが、抜本的な解決につながる道筋を与えてくれるかもしれません。

内部告発によるパワハラ。

2014年2月25日

2013年3月毎日新聞からのニュースです。

http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20130329ddlk22040188000c.html

(引用はじめ)

不正を内部通報したためパワーハラスメント(パワハラ)を受け不当人事や解雇処分を受けたとして、社会福祉法人県民厚生会の介護施設「きらら藤枝」元施設長の女性(58)が、同法人や当時の理事長らを相手取り地位確認や約1300万円の賠償を求めた訴訟の判決が28日、静岡地裁であった。増田吉則裁判官は請求の一部を認め、降格や解雇は違法だとし同法人に約600万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

判決文によると、女性は08年9月、当時の理事長らが不当に高額な報酬を得ていることなどを県に内部通報した。女性は降格され、11年1月、意に反し退職となった。女性は理事長らからのパワハラがあったと主張したが、判決は認めなかった。【平塚雄太】

(引用終わり)

内部通報は十分にパワハラのきっかけになります。しかし、公益通報者保護法により、内部通報者への不利益変更や解雇などは、禁止されています。

経営者が知らず知らずのうちに、法を犯していたということはよくあることです。

ちなみに、この記事は、パワハラを認めなかったとありますが、明確な公益通報者保護法違反であることを重視された結果だと私は考えます。判決は「証拠がない」という理由で、パワハラ部分に関しての請求を却下していますが、だからといってパワハラが無かったとは言い切れないと思います。

事実、1300万の請求額に対し600万円を認容したというのは、かなり高い水準です。

私はパワハラ以上に重いパワハラ(法律違反)だと考えます。

パワハラは行為で判断すると、事態が悪化する。

2014年2月25日

ネットで見ると、

どの行為をもって「パワハラ」とするのか? と論じたり、質問したりしているのをよく見かけます。

ただ、私の経験から言えば、行為からパワハラを判断するのは、事態を悪化させるだけです。

なぜなら、行為だけをみてパワハラを判断すれば、「線引き」されてしまうからです。

パワハラは有形無形のさまざまな方法で行われます。特に無形のパワハラは心理的不安や職場不審を引き起こしているにもかかわらず、目に見えません。すると、表面に見えるものだけを捉えて「パワハラが無い」とすれば、さらに職場不審や心理的負担が進み、人間関係が破壊されてしまいます。

ですから、職場環境の悪化具合を見ていく必要性があるのです。

 

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