2014年9月18日
2014年6月24日神戸新聞の記事です。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201406/0007081560.shtml
(引用はじめ)
33歳の男性が心臓疾患で突然死したのは、過重なノルマ、長時間労働、パワーハラスメント10+ 件 を放置し安全配慮義務を怠ったためだとして、勤務先の「光通信」(東京)に対し、神戸市内の両親が24日にも神戸地裁に約1億6500万円の損害賠償請求訴訟を起こす。両親は「悲劇を繰り返さないために」と訴え、請求に異例の懲罰的慰謝料を盛り込んだ。(中部 剛)
光通信はOA機器、携帯電話販売、インターネット事業などを手がけ、東証1部に上場している。
訴状によると、男性は2010年2月の早朝、東京都の自宅で頭痛や強い胸の痛みを訴え、搬送先の病院で心臓性突然死した。亡くなる前3年間の時間外労働は、最も多い月で153時間に達したほか、16カ月で100時間を超し、疲労の蓄積が顕著だったとする。
同社では携帯電話の販売などのノルマが厳しく、06年ごろ男性が課長職に就任して以降は、数十人の営業マンのサポート、売り上げの管理、膨大な資料のチェックに追われたという。さらに、09年に携帯電話の水増し契約を告発した記事が週刊誌に掲載されると、男性はクレーム対応の部署に異動となり、精神的な負担を募らせたとしている。
遺族側は「結婚を目前にし、33歳の若さで人生を奪われた精神的苦痛は極めて甚大」とし、「さらなる被害者を出さないためにも懲罰的な意味を含めた慰謝料を支払わせるべき」と主張。母親は「親として許すことができない。社会的な責任を全うしてもらうために提訴する」と涙ながらに語った。
光通信は「亡くなられたことにお悔やみ申し上げます。それ以外についてはコメントを差し控えます」としている。
【懲罰的慰謝料】被害回復と再発防止のため、実損分を超える賠償(交通事故などの基準よりも高く設定した賠償)を、制裁として科す慰謝料。三菱自動車製大型トレーラーのタイヤ脱落事故訴訟などで請求されているが、過労死訴訟での例は少ないという。
(引用終わり)
2014年9月18日
パワハラの防止には取り組みたいけれども、
パワハラだけに焦点をあてて、パワハラ防止に取り組みたくはない
という経営者の方は多いようです。
厚生労働省は、パワハラ防止の為の取り組みととして、経営者が自ら、
「職場からパワハラを無くす意思を明確にするメッセージを発すること」を提唱しています。
しかし、これには問題があります。
「パワハラ」という言葉には、マイナスのイメージがあります。かなりの抵抗感があるということです。
これは、パワハラの本質を考えれば、分かります。
パワハラによってもたらされるもの、それは職場環境の悪化です。
ですから、職場環境を悪化させない状況を作ることが本質であり、
わざわざ「パワハラ」という言葉を使って、パワハラ防止するメッセージを発するのは違和感があると言うことなのです。
これは、「パワハラ」に焦点をあてて、パワハラ防止に取り組みたくない、という心理につながります。
もちろん、だからと言って、パワハラ防止をしない、というわけではありません。
「パワハラ」だけに焦点をあてて「パワハラ防止」をしても、本質的に、何の解決にもならないのでは・・・・・
と直感的に感じている経営者(特に中小企業)の方は多いのです。
ならばどうすればよいのでしょうか。
先日、職場環境改善工房では、とある運送会社さまに、
【適切な指示指導研修】をご提案いたしました。
ここには、いっさい「パワハラ」の文字は入れてません。
しかし、適切な指示指導が行われていない現場では、
・ミスやトラブルが頻発したり、
・不信感が芽生えたり、
して、そこからストレスが増え、メンタルにまで影響を及ぼします。
また、パワハラを誘導するのです。
ですから、適切な指示指導の研修をするということは、パワハラ防止につながっていくのです。
このように、パワハラの本質を理解し、パワハラ防止の本質を理解した上で、
パワハラという言葉をいっさい使わず、パワハラ防止に繋がる研修や取り組みをしていくことも、非常に重要です。
2014年9月17日
東京新聞2014年6月24日の記事です。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014061202000132.html
(引用はじめ)
尾張徳川家が誇る至宝を所蔵、公開する徳川美術館(名古屋市東区)の男性管理部長(60)から度重なるセクハラやパワハラを受けたとして、女性職員二人が十一日、美術館を運営する財団法人「徳川黎明会」(東京都豊島区、徳川義崇(よしたか)会長)に、計四百万円の損害賠償の支払いを求め、名古屋地裁に労働審判を申し立てた。管理部長は全否定している。
労働審判は労使間のトラブルを迅速に解決する制度として二〇〇六年に始まった。裁判官一人と労使問題の専門家二人が審理し、話し合いによる調停か審判での解決を目指す。結果に異議があれば訴訟に移る。
申し立てたのは管理部に勤める四十代と五十代の女性。申立書によると、管理部長は二〇一三年一月~今年五月、肩や手を触ったり、ホテルや旅行に誘ったりした。ボーナス査定時には「パワハラ、セクハラに付き合えば十万円アップ」と発言。誘いを断られると「業務命令だ。出世に関係する」と威圧するなどしたと主張している。
その上で「女性職員の人格権を侵害する違法行為。黎明会は使用者責任があるのに、セクハラとパワハラを放置し職場環境を改善しなかった」としている。
管理部長は大手都市銀行を退職後の一一年十月、黎明会から徳川美術館に派遣され、一二年四月から業務部長(現・管理部長)。
管理部長は取材に「(ハラスメントの)事実はない。既に内部で調査されていて(女性職員らの主張は)ほとんどうそだと判明している。ほぼ解決済みだ」と話した。
美術館長も務める徳川会長は取材に「詳細を把握していないのでコメントできない。内容を精査し、心ある対応をしたい。財団の社会的責任において適切に対応したい」としている。
<徳川美術館> 徳川家康の遺品や「源氏物語絵巻」など国宝9件、重要文化財59件を含む1万件以上を所蔵。尾張徳川家は家康の九男、義直を始祖とする徳川御三家の筆頭格で代々、尾張藩主を務めた。第22代当主の徳川義崇氏の曽祖父義親氏が伝来の宝物の散逸を心配し、徳川黎明会を設立。1935年に徳川美術館を開館した。
(引用終わり)
【後日談】
徳川美術館では、このセクハラ事件をきっかけとして、労働組合が結成されました。
2014年9月17日
2014年5月16日 毎日新聞記事です。
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20140517ddlk34040518000c.html
(引用はじめ)
福山郵便局(福山市)に期間雇用社員として勤務する女性が、元上司から暴言を浴びせられたり、退職を強要されるなどパワーハラスメントを受けたとして、元上司の男性3人と会社に慰謝料など630万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、広島地裁(財賀理行裁判官)であった。財賀裁判官は元上司1人の暴言を認め、日本郵便と合わせて計11万円の支払いを命じた。元上司2人への請求は棄却した。
判決によると、女性は2010年5月、事実関係が明らかでないのに、一方的に元上司1人から社用バイクの鍵を盗んだ犯罪者であるような発言をされ、「ババア」「バカ」などと日常的に呼ばれた。財賀裁判官は「職場の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて女性に精神的苦痛を与えた」と認定。さらに「発言や呼称の使用は会社での業務遂行に当たってされたもの」として同社の使用者責任を認めた。他の上司2人は「退職を強要したとはいえない」などとして訴えを退けた。
判決後、女性は判決を不服として控訴する意向を示した。同社中国支社は「詳細を確認した上で今後の対応を検討する」とコメントした。【石川裕士】
(引用おわり)
2014年9月16日
2014年6月11日 朝日新聞の記事です。
http://www.asahi.com/articles/ASG626Q4KG62UBNB00M.html
《引用はじめ》
青森労働局に寄せられた2013年度の労働相談で、パワーハラスメント にあたる「いじめ・嫌がらせ」が674件で、統計を取り始めた01年度以降過去最多となり、はじめて「解雇」(646件)を上回った。労働局が2日に発表した。
労働局に寄せられた総合労働相談は1万1073件(前年度比2・4%減)で、このうち労使間のトラブルになった民事上の個別労働紛争は2814件(同6・2%減)。個別労働紛争の内訳は「いじめ・嫌がらせ」が18・9%と最も多く、「解雇」18・1%、「自己都合退職 」15・0%、「労働条件引き下げ」9・4%の順だった。
いじめ・嫌がらせが増加した原因について同局の担当者は、「『パワハラ 』という言葉が広まり、何がパワハラ に当たるのか識別できるようになった人が増えたからではないか」などと話した。
《引用終わり》
2014年9月15日

このHPは、企業や法人にパワハラの未然防止をご提案している、「職場環境改善工房」のHPです。
朝日新聞2014年5月31日の記事です。
http://digital.asahi.com/articles/ASG5Z0PZBG5YPTIL041.html?_requesturl=articles%2FASG5Z0PZBG5YPTIL041.htmlamp
(引用はじめ)
物流大手「西濃運輸 」(本社・岐阜県 )のトラック運転手の男性が、長時間労働 や上司のパワーハラスメント が原因でうつ病になり休職したとして、同社と上司2人に約6千万円の損害賠償を求める訴えを近く大阪地裁 に起こすことがわかった。
訴えるのは、同社摂津支店(大阪府摂津市 )に勤める吉村年人さん(48)。2011年6月にうつ病を発症して翌7月から休職。12年6月、病気は業務が原因として労災認定された。
訴状や労災認定の資料によると、吉村さんは11年6月、三重県 内の高速道路を走行中、たまたま並走していた得意先の車に「接触された」と苦情を言われた。車体には傷もなく、身に覚えがないのに上司から物損事故を起こしたと決めつけられ、厳しく叱責(しっせき)された。別の上司には、反省のためとして支店の草刈りを3日間させられたという。
吉村さん側は、残業時間がこのトラブル前の1年間の平均で月約140時間あり、長時間労働 の末のトラブルでうつ病を発症したとして、逸失利益 や慰謝料などを求める。
西濃運輸 は「誠意をもって話し合いをしてきましたが残念です。訴状の内容を確認したうえで引き続き真摯(しんし)に対応させていただきます」としている。(太田航)
■長時間労働 に不眠「悔しい」
「5月26日、15時間50分」、「5月27日、16時間」、「5月28日、13時間10分」……。毎日の拘束時間を記した吉村さんのメモから、長時間労働 の実態が浮かび上がる。
吉村さんは2006年3月に大阪府警 を辞めた後、西濃運輸 に就職。数時間の仮眠を挟んで大阪と東京を2日間で往復する過酷な業務に就くことが多かった。
それでも車の運転が好きで仕事を続けたが、11年6月のトラブルで事態は一変した。府警では交通違反の取り締まりを担当しただけに、事故を認めさせられたショックと激務で体重が7キロ減少。頭痛やめまいもひどく、たまらず休憩して帰社が遅れると、上司から怒鳴られたという。
不眠が続き、医師には仕事を止められた。「ハンドルを握れないのが悔しい。好きな仕事を奪った責任を認めてほしい」と話す。
(引用おわり)
2014年9月14日
読売新聞2014年5月27日の記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/job/navi/kaneko/20140522-OYT8T50109.html
(引用はじめ)
“性的なからかい”、ちょっとした悪ふざけや言った本人には悪意のない性的な揶揄(やゆ)も、様々な場面で問題になってきました。
この種のからかいは、これまでであれば、たとえ相手が不快感を示しても、多くの場合「冗談だよ、冗談、そんなにムキにならなくても…」などということで交(か)わされて、済まされてきました。
次のような一言は、身に覚えのある方もいるでしょうし、自分が言わなくとも周囲で幾度か耳にしてきた言葉ではないでしょうか。
今の時期にありがちですが、ゴールデンウイーク明けに風邪をひいて休んだ人に
―ゴールデンウイーク中に遊びすぎて変な病気でももらったんじゃないの
とか、海外旅行に行った若い女性社員を相手に
―男漁(あさ)りに海外旅行か、それで成果はどうだった。
などの声掛けは要注意です。
言っていませんか、こんな冗談
こんな発言が冗談で済まされるか済まされないかは、紙一重と言ってもいいでしょう。さて、次のような言葉はどうでしょうか。
食事をした後、会計の時に
―いいよ今回の支払いは、今度体で払ってもらうから…
女性同士を比較して
―Aさんは色気があるのにBさんはないよね。少し色気の出し方を教えてもらったら
個人的な関心から
―Cさんは処女かな、男性経験あるの
独身男性に対して、同席した独身女性を指(さ)して
―うちにいいのがいるから
独身の女性に
―結婚しろ、結婚しなくともいいから子供を産め
言葉のセクハラ指摘を受けて
―言葉のセクハラだけで体のセクハラがないのは、自分に魅力がないからなのか我々に理性があるからなのか考えろ
―胸がないから、金を出してやるから豊胸手術をしろ
性的な揶揄は「環境型セクハラ」
ここで取り上げた言葉は、いずれも、裁判で取り上げられたものです。もちろん、こうした言葉だけをとらえて、セクハラ かどうかをジャッジするものではありませんが、こうした性的な揶揄といわれる一連の言動があります。
あえて、パターン化すると<1>悪質型<2>からかい型<3>悪ふざけ型、などがありますが、受け手からすれば不快な言葉であることに変わりはありません。こうした相手を揶揄するいい方は、セクハラと判断されやすいので要注意です。
こうした揶揄という言葉のセクハラ は、いわゆる「環境型セクハラ 」と判断されるケースが増えてきています。「環境型」というのは、「女性労働者の意に反する性的な言動により、女性労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、その女性労働者が就業する上で見過ごせない程度の支障が生じること」とされています。
「平均的な女性」が判断、「男の冗談」は通じない
判断の基準としては、「平均的な女性がどう感じるか」や、その言葉の「継続性、反復性」がポイントとなります。ここで、大切なことは、「平均的な女性」つまり常識的な女性の判断によるということです。「平均的」というのは、極端に過敏ではない女性という意味ですから、いずれにせよ女性の判断にゆだねられるということです。
判断するのは女性であり、これまでのように言った側の(主には)男性の判断には寄(よ)らないということが大切です。つまり、男性が男性的な判断で「冗談、冗談」と言えば済まされる状況ではなくなってきたということです。
そうした結果、上で示したような言葉が「社会通念上、許容される限度を超えた性的不快感を与える行為であり、職場環境を害する不法行為である」などと判断されています。冗談のつもりが環境型セクハラと判断されてしまうことがないよう、くれぐれもご注意を!
(引用おわり)
2014年9月13日
2014年5月30日 朝日新聞の記事です。
http://www.asahi.com/articles/ASG5Z5H98G5ZULFA02M.html?iref=com_alist_6_02
(引用はじめ)
厚生労働省 は30日、全国の労働局が「総合労働相談コーナー」で2013年度に受け付けた相談の内容を発表した。パワハラ にあたる「いじめ・嫌がらせ」が前年より15%増の5万9197件になり、2年続けて内容別のトップだった。
パワハラ 関係の相談は、集計がある02年度から11年続けて増えた。相談の中には、「仕事は遅いのに飯だけは早い」「馬鹿野郎」といった暴言や暴行を受けた、といったものがあった。内容に応じて、労働局長名で事業主に再発防止を求める指導などをしたという。
集計は、労働法 令違反にはあてはまらない労働紛争が対象。全体の相談件数は、前年度より4%少ない24万5783件で2年連続の減少だった。雇用情勢が回復したのを反映し、解雇関係の相談が15%減の4万3956件、労働条件の引き下げをめぐる相談が12%減の3万67件だった。(山本知弘)
(引用おわり)
2014年9月12日
クリスチャントゥデイ5月28日 記事です。
http://www.christiantoday.co.jp/articles/13388/20140528/byun-jae-chang.htm
キリスト教会内のハラスメントを書いた珍しい記事です。
(引用はじめ)
国際福音キリスト教会の卞在昌(ビュン・ジェーチャン)牧師らに対して、セクハラやパワハラなどで元信者の女性4人と男性1人が訴えていた民事訴訟で、東京地裁は27日、セクハラの被害を訴えていた女性原告4人の訴えを認め、計1540万円の損害賠償を支払うよう命じた。一方、男性原告が訴えていたパワハラについては棄却。また、これらの訴訟により名誉を毀損されたとしてビュン牧師側が原告やその支援者に対して損害賠償を求めていた訴えも棄却した。
判決を受け、原告側を支援している「モルデカイの会」(加藤光一代表)は同日、「今回の民事判決では、女性被害者4名が、長期間にわたって被告ビュンからセクハラ(猥褻)行為を受けてきた被害について訴えを提起し、その請求が認容された点で、私たちはこの判決をきわめて高く評価しています」などとする声明文を発表した。一方、国際福音キリスト教会も同日、今回の判決に対するコメントを発表。「この度の判決結果の内容には、一部受け入れがたいものも含まれておりました。この結果に対して、私たちは今後、真実を明らかにするために最善を尽くす所存です」とし、控訴する構えをみせている。
ビュン牧師は、原告のうち1人に対して乱暴した容疑で、2010年に準強姦罪で起訴されている。しかし、この刑事訴訟では、「女性の証言の信用性は否定せざるを得ない。事実を認定すべき証拠は存在しない」として、検察の懲役7年の実刑求刑に対して、無罪が言い渡された。その後、検察が控訴を断念したため、2011年に無罪が確定している(関連記事:ビュン牧師に無罪判決 証言の信用性、否定せざるを得ない )。
モルデカイの会は今回の声明文で、刑事訴訟の結果については「2011年5月20日に言い渡された準強姦刑事事件の判決では、女性被害者一名のみについて、2007年2月17日という特定の1日に限定して準強姦の事実の有無が争点とされ、刑事事件の性質上、提出できる証拠に制限がある等の理由により、その結果は大変残念なものとなりました」とコメントしている。
今回の民事訴訟でも、この被害は訴えられたが、地裁は犯行があったとされる日時が特定できないとして、被害の認定は退けた。
モルデカイの会は声明文で、「私たちは、今回の判決が先例となって、牧師の権威を強調するあまり同じような悲劇を招いている日本の一部のキリスト教会における同種事件の被害者が広く救済され、その人権が回復されるよう、警鐘を鳴らし続けて参ります」とコメント。ビュン牧師とともに訴えた宗教法人「小牧者訓練会」については、「いまだに被告教団(小牧者訓練会)に残っている方々には、今回の判決を重く受け止めて目を覚まし、自らの自由意思ですみやかに被告教団を離れていただきたいと願っています」としている。
一方、棄却されたパワハラに対する訴えについては、判決内容を精査し、今後、控訴するかどうかを検討するとしている。
今回の判決に関するモルデカイの会の声明文、国際福音キリスト教会のコメントは下記のとおり。
■ モルデカイの会の声明文
2014年5月27日
モルデカイの会 (宗教法人『小牧者訓練会』による被害の回復を目的とする裁判の支援会)
代表 加藤光一
2014年5月27日、東京地裁民事第45部(山田明裁判長)は、被告卞在昌(以下、「被告ビュン」という。)、及び被告宗教法人「小牧者訓練会」(以下、「被告教団」という。)に対し、セクハラ被害者である女性原告ら4名の訴えを認め、内2名に対しては、それぞれ金330万円ずつ、内2名に対してはそれぞれ金440万円ずつ、合計金1540万円の損害賠償金の支払いを命ずる判決を言い渡しました。なお、パワハラ被害者である男性原告の訴えは、残念ながら棄却となりました。
一方、被告ビュン及び被告教団による、セクハラ裁判およびパワハラ裁判における原告らの被害主張はすべて虚偽でありこれらの公開等によって名誉を毀損されたとする訴えはすべて棄却されました。
被告ビュンに対し、2011年5月20日に言い渡された準強姦刑事事件の判決では、女性被害者一名のみについて、2007年2月17日という特定の1日に限定して準強姦の事実の有無が争点とされ、刑事事件の性質上、提出できる証拠に制限がある等の理由により、その結果は大変残念なものとなりました。 これに対して、今回の民事判決では、女性被害者4名が、長期間にわたって被告ビュンからセクハラ(猥褻)行為を受けてきた被害について訴えを提起し、その請求が認容された点で、私たちはこの判決をきわめて高く評価しています。何よりも、この判決によってセクハラ被害が認定され被告らに損害賠償責任が課せられたことによって、被害を受けた原告らの人権が守られたことを率直に喜んでいます。この事件によって受けた原告らの心の傷も大いに癒されると信じています。
本セクハラ裁判およびパワハラ裁判は、いずれも、被告教団の内部で起きた忌まわしい事件に関するものであります。これらの事件に共通する問題点は、
(1) 主任牧師である被告ビュンが、自らを霊的指導者であるとしてその絶対的権威を説く権威主義的な教会政治を行い、このことによって、被害者らが主任牧師や上位教職者には絶対に服従しなければならない、その失敗も絶対に責めてはならないと信じ込まされたこと。
(2) その絶対的権威を利用して主任牧師や上位教職者が不法行為を行ったこと。
(3) 主任牧師や上位教職者を責めること自体が罪であると被害者に信じ込ませ、逆に、教会内部において訴えるものを非難する風土を醸成し、これらの被害事実を隠蔽してきたこと
であり、事件発生の背景と原理が共通であります。
今回、裁判所が事件の起きた背景にまで踏み込んできわめて公正な判断を下したことに対して敬意を表するとともに、法廷の場で真摯かつ粘り強く原告らの人権を擁護してこられた弁護士の諸先生方に心からの感謝を捧げます。また、祈りと献金によって長期間にわたって裁判を支えてこられた支援者ならびに超教派の牧師の方々に深甚の謝意を表します。
なお、パワハラ裁判については訴えが棄却されたことは大変残念に思っております。これについては判決内容を精査し、今後、控訴するか否かを検討する所存です。
私たちは、今回の判決が先例となって、牧師の権威を強調するあまり同じような悲劇を招いている日本の一部のキリスト教会における同種事件の被害者が広く救済され、その人権が回復されるよう、警鐘を鳴らし続けて参ります。
同じような被害に遭いながら、またそのような認識を持つことを制約されて、いまだに被告教団に残っている方々には、今回の判決を重く受け止めて目を覚まし、自らの自由意思ですみやかに被告教団を離れていただきたいと願っています。
以上
■ 国際福音キリスト教会のコメント
民事裁判 一審判決について
主の御名を賛美いたします。
いつも私どもを覚えて、お祈りで支えてくださっていることに心から感謝いたします。
2009年より行われてきました民事裁判の一審判決が出ました。この度の判決結果の内容には、一部受け入れがたいものも含まれておりました。この結果に対して、私たちは今後、真実を明らかにするために最善を尽くす所存です。
すべてのことを働かせて益としてくださる主にゆだねつつ、再審請求を行ってまいりますので、今後ともお祈りをよろしくお願いいたします。
栄光在主
2014.5.27
国際福音キリスト教団 教職者一同
(引用終わり)
2014年9月11日
2014年 5月14日 琉球新報の社説です。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-225158-storytopic-11.html
(引用はじめ)
過酷な労働を強い、働く人を使い捨てにする「ブラック企業」が県内でもはびこっている。
長時間労働や賃金を支払わない残業など、労働関係法令を度外視した働き方を強要していないかを確認した沖縄労働局の抜き打ち調査で、27社中21社で法令違反が確認され、改善を指導されていた。
違法な時間外労働は16事業所、賃金を支払わない残業を強いたのは10事業所ある。月80時間以上の残業が5、うち100時間以上は3事業所あった。厚生労働省が昨年9月、ブラック企業の疑いがある全国の企業・事業所5111社を調べ、県内の実態も判明した。だが、指導を受けた企業は氷山の一角だろう。
是正しない企業には労働法規違反で立件する強い態度で臨み、決して見逃してはならない。沖縄労働局、県は対策を強化してほしい。
就職難時代に付け込み、正社員を多く採用した上で、不要と判断した社員を酷使し、「辞めさせる」のではなく「辞めるように仕向ける」手口が常とう手段だ。利益確保のために賃金が安い非正規雇用を増やしつつ、正社員として雇ったことを逆手に取る。人格を否定する悪質な経営手法である。
全国調査では、5111のうち4189企業・事業所(82%)で法令違反があり、是正を勧告された。長時間労働で精神的な障がいを来した後も月80時間超の残業をさせたり、賃金を1年間支払わなかったりするなど、甚だしい人権侵害が多く報告されている。
2008年のリーマン・ショック後に雇用環境が悪化して企業内で人材育成をする余裕がなくなり、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントが横行するようになったとの専門家の分析もある。
景気が回復基調にある中、若者使い捨ての風土がある企業への就職者が大幅に減った。倫理観を欠いた反社会的経営への批判と受け止めるべきだろう。県内は経営基盤が弱い中小零細企業が大半を占める。だからと言って、経営者が内部留保を優先するあまり、長時間労働やサービス残業を助長してはならない。
政府は2015年春に卒業見込みの大学生らを採用予定の企業に、求人票に過去3年間の採用者数と離職者数明記を求めている。ブラック企業か否かを判断できる情報開示を進め、離職率が異常に高い企業の求人制限など罰則強化も検討し、実効ある対策を講じるべきだ。
(引用おわり)
■職場環境改善工房では、パワハラ防止の提言をしています。
パワハラ防止についての基本的な考えについては、こちらをクリックしてください。
パワハラ防止標語作りについては、こちらをクリックしてください。
企業向けパワハラ防止研修については、こちらをクリックしてください。
■このHPには、200以上のパワハラ事例が載っています
さまざまなパワハラ事例について知りたい方は、こちらをクリックしてください。
■職場環境改善工房では、個人の方のパワハラ相談を承っております。
個人の方のパワハラへの対応については、こちらをクリックしてください。